3/9から長期間に渡って受け付けておりました第2回「ジョニー・トーBEST」、お陰様で、大変たくさんの投票をいただきました。
Twitterのおかげもあってか、5年前の第1回とは比べものにならないくらいの投票数です。
投票して下さった皆様、本当にありがとうございます!
集計方法は、前回同様、1位10点、2位9点・・・・10位1点とし、5作品同率1位の場合は(10+9+8+7+6)÷5=8のように計算しています。
今回一つ注意点としては、例えば第2位に『エレクション』&『エレクション 死の報復』という形で投票していただいた方は、どちらの映画も9点として集計しています。
仲間に入れていただこうということで、今回も管理人自身のBESTも集計に加えています。(→管理人自身のBEST10はこちら)
また、これまた前回同様、皆様にいただいたコメントの中から、その作品の魅力を端的に表現しているものを掲載させていただきました。
前回もすべてのコメントを載せさせていただくことはできなかったのですが、今回はさらに大量のコメントをいただき、その中でも本当に限られたものしか載せられず申し訳ありません。
皆様コメントの中で映画への熱い想いを語られていますので、ぜひコメント欄にも目を通していただき、他の方の想いにも触れていただければと思います。
では、前回同様、いきなり第1位から発表です!
【第1位】
ザ・ミッション/非情の掟(鎗火)383点
前回も1位でしたが、今回も1位はこの映画でした。ただ、前回はぶっちぎりの1位でしたが、今回は最後まで2位の映画とのデッドヒートでした。
「いまさら言うまでも無い銃撃戦!&ええ歳したおっさんらが中学レベルの悪戯で盛り上がれるのは本当に素晴しい事だと思います」(DHC様)、「やはりJUSCOの銃撃戦に、あの、ほのぼの(?)紙屑サッカーのシーンが、凄く好き(と云うか、ツボ)」(おろか様)ということで、おそらく好きなシーンでアンケートを取ったら絶対上位に入るであろう、ジャスコでの銃撃戦と紙屑サッカー、もちろん他にも素晴らしいシーンはいくらでもありますが、やはりこの2つはトーさん史上屈指の名場面ですね。
あと、映画は大傑作だけど音楽だけは・・・という意見をよく耳にしますが、誰が何と言おうと「テーマ曲は文句なしに最高!!!」(CRZKNY様)です!
【第2位】
エグザイル/絆(放・逐)366.5点
「『狼は天使の匂い』に『ワイルド・バンチ』とオールタイムベストな作品が合体してるだけでなく、北野武、清順、ゴダール、レオーネ、エイゼンシュタインまで映画記憶を逆行させる大傑作」(katokitiz様)、「「オレの好きなアクション映画の要素が凝縮された」作品」(西尾幹事様)、「もうとにかく好きなものが詰まりまくってます!」(la-panda様)というように、大傑作にならないわけがない、大好きにならないわけがない、そんな映画。
「サイモン・ヤムが股間を撃たれる度にイイ顔をしすぎる」(CRZKNY様)、「ヤムヤムの脂ぎった色気は圧倒的。胸元の花が似合いすぎ(笑)」(la-panda様)というマニアックなご意見も(笑)
【第3位】
スリ(文雀)277点
「小雨煙る中での銃器なき“決闘”はそんじょそこらの銃撃戦の何百倍もスリリング」(西尾幹事様)というクライマックスもほんとに素晴らしいですが、「あの世界観とそれを描いた背景がかなり好きで、こういう作品ってトー先生にしか作れないっしょ!」(Ayu様)のお言葉通り、香港の街並みと、そこに生きる人たちへの、トーさんの溢れんばかりの想いが炸裂しているところが最大のポイント。
【第4位】
冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(復仇)225.5点
「三人衆(特にラム・カートンの崩れ方!)の散り際が最高に好き」(CRZKNY様)、「メガネをかけたラム・カートンがすごくかっこよくて、カートン推しになってしまいました」(フェイト様)、「冷たい雨・・の林家棟がめちゃめちゃツボです(笑)」(cana様)とラム・カートン大人気かと思えば、「ラムちゃんに一目惚れ」(吾妻様)というご意見も。ここからトーさんに入った方も何人かいらっしゃるようですね~。
【第5位】
エレクション(黒社会)219.5点
「抑制された演出と音楽、噴出する暴力」(三個字様)、「銃弾が一発も飛ばないのにこの迫力・・・中略・・・恐ろしいほど激しい竜頭棍の争奪戦に、人間の底知れぬ欲望と醜悪さが滲み出た世紀の大傑作」(フェイト様)、そうなんですよね、一発の銃弾も飛ばないのにこの凄み。
【第6位】
ヒーロー・ネバー・ダイ(眞心英雄)207点
前回も今回も、投稿していただいたコメントの熱さではこの映画がぶっちぎり。
「トーさんがウーさんに正面から挑んだ作品であり、同時に「ウーの壁」にブチ当たった映画じゃないかと。で、「過剰さではウーに勝てない…、ならば逆に抑えていけば…!」と、次作「ザ・ミッション」のジャスコの銃撃戦を作り出したのでは…とか妄想してます」(加藤ヨシキ様)というお言葉通り、「今のトーさんからは考えられないほど、過剰な映画」(同左)。
一言で言えば、「全編に渡って”無駄に”カッコ良すぎ」(Dark_Knight_K様)る男泣きの大傑作。
【第7位】
MAD探偵 7人の容疑者(神探)176点
今のところ、監督作品としては日本での劇場公開としては最新作、2007年の映画ですが(笑)
「「もしゴッホが刑事だったら?」というコンセプトをベースに『エグザイル/絆』の様式美と『PTU』のシャープさと『マッスル・モンク』の狂気をぶちこんだ怪作」(katokitiz様)というように、怪作ではあるので好みは分かれるところでしょうか。
素晴らしいシーンはいくらでもありますが、やはりクライマックスでしょう。「「人格可視化」のアイデアの可能性が最大の振幅を記録する、メキシカン・スタンドオフの構図に『上海から来た女』の鏡部屋銃撃シーンの面白さをプラスしたようなラストの銃撃戦には、アドレナリン大噴出」(西尾幹事様)。
【第8位】
暗戦 デッドエンド(暗戦)164点
「バスの中だけの一瞬の恋人・・・(中略)・・・このシーンのさりげなさ、恋愛映画見るより、よっぽど胸キュンですぞ」(la-panda様)のお言葉通り、トーさんの恋愛シーン史上屈指の名場面“バスの中だけの恋人”。もちろんアンディとラウちんの友情にもぐっとくるシーンはたくさんありますが、やっぱりこの映画はこのシーンですね~。
【第9位】
PTU(PTU)159点
「本作の主役は、PTUではなく真夜中の香港の街」(西尾幹事様)、「林雪!そして夜の闇に尽きる」(亜美様)、「「夜」酔いします」(通りすがり様)というように、実は主役は香港の夜の闇。ウォルター・ヒルの『ザ・ドライバー』の真の主役がロサンゼルスの夜の闇だったように、「ウォルター・ヒルへの香港からのラブレター」(POSTERMANTORU様)。
【第10位】
柔道龍虎房(柔道龍虎榜)154点
“泣いてもいいから前を見ろ!”のキャッチコピー通り、「本当に前向きになれる映画で、何度も助けられました」(seebose様)というのは管理人も同じです。
「負け犬たちの“ONCE AGAIN”に燃えた」(katokitiz様)というお言葉もぴったり。
以下、コメントなしで最下位まで点数順に並べます。
【第11位】
エレクション 死の報復(黒社会以和為貴)146.5点
【第12位】
ブレイキングニュース(大事件)112点
【第13位】
マッスルモンク(大隻[イ老])101.5点
【第14位】
Needing You(孤男寡女)65.5点
【第15位】
天使の眼、野獣の街(跟蹤)61点
【第16位】
デッドポイント~黒社会捜査線~(非常突然)57.5点
【第17位】
ターンレフト ターンライト(向左走・向右走)47点
【第18位】
ワンダーガールズ 東方三侠(東方三侠)32.5点
【第19位】
再見阿郎(再見阿郎)31.5点
【第20位】
ダイエット・ラブ(痩身男女)31点
【第21位】
アンディ・ラウの麻雀大将(嚦咕嚦咕新年財)30点
フルタイム・キラー(全職殺手)30点
【第23位】
過ぎゆく時の中で(阿郎的故事)27点
【第24位】
奪命金(奪命金)23点
【第25位】
イエスタデイ、ワンスモア(龍鳳鬥)17点
チャウ・シンチーの熱血弁護士(審死官)17点
【第27位】
ロンゲストナイト(暗花)16.5点
【第28位】
強奪のトライアングル(鐵三角)16点
【第29位】
アクシデント(意外)12点
【第30位】
デッドエンド 暗戦リターンズ(暗戦2)11点
我左眼見到鬼(我左眼見到鬼)11点
【第32位】
独身の行方(單身男女)10点
【第33位】
天若有情(天若有情)9点
ファイヤーライン(十萬火急)9点
【第35位】
ゴールデン・ガイ(吉星拱照)6点
無味神探(無味神探)6点
【第37位】
ワンダーガールズ 東方三侠2(現代豪侠傳)4点
一個字頭的誕生(一個字頭的誕生)4点
【第39位】
僕は君のために蝶になる(蝴蝶飛)3点
マッドモンク/魔界ドラゴンファイター(濟公)3点
【第41位】
スー・チーinミスター・パーフェクト(奇逢敵手)1点
僕たちは天使じゃない(八星報喜)1点
前回は100点を超えたのが『ザ・ミッション/非情の掟』の1本だけで、17点でもベスト10入りしていましたが、今回はなんと100点超えが13本。さらに、200点超えが6本。
そして、上位2本は400点に迫る勢いと、前回とは比べものにならない投票数から、点数的にも贅沢なランキングとなりました。
改めまして、投票して下さった皆様、本当にありがとうございます!
前回のBEST10からそのまま残ったのが6本、新たに加わったのが4本という顔ぶれですが、やはり最近映画館でご覧になって印象が強く残っていることもあってか、全体の傾向としては新作が強いですかね。
前回は『ダイエット・ラブ』がベスト10入りしていましたが、今回はラブコメ路線は1本もなしで、ジャンル的にはノワール系がやはり圧倒的。
そんな中では、いわゆるノワールとはちょっと違う『スリ』、管理人自身も1位に選びましたが、劇場未公開ということも考えれば、大健闘と言っていいのではないでしょうか。
さらに、前回はここに登場した映画は23本でしたが、今回はなんと42本!
前回から5年経っているので対象本数がだいぶ増えたとはいえ、皆様それぞれお気に入りの1本があって興味深いですね。
管理人自身は現在77本観ていますが、ほんとに映画が山のようにありますので、もし未見の作品がありましたら、皆様のコメントを参考に、ぜひぜひご覧になってみて下さい。
昨年は『奪命金』が東京フィルメックスで上映され、今年は『鐵三角』『報應』『車手』が公開(『スリ』のようにDVDスルーのもあるかもしれませんが…)されそうな勢いです。
さらに、来月には香港で『高海拔之戀II』が公開され、去年映画祭で上映されて以来何の音沙汰もない『単身男女』もあります。
この多作ぶりもトーさん(銀河映像)の魅力の一つですが、今年もまたまた楽しませてくれそうですね♪
投票して下さった皆様、改めまして、本当にありがとうございました。
約2ヶ月に渡って受け付けておりました「ジョニー・トーBEST」、お陰様で、たくさんの投票をいただきました。 投票して下さった皆様、本当にありがとうございます! 集計方法は、1位10点、2位9点・・・・10位1点とし、5作品同率1位の場合[…]
ジョニー・トー(杜琪峯 : Johnnie To、1955年4月22日 - )は、香港の映画監督、プロデューサー。 香港電影金像奨で3度の監督賞、金馬奨で3度の監督賞を受賞している。 現在までに香港電影金像奨の監督賞に18回、金馬奨の[…]