『ターンレフト ターンライト』(ジョニー・トー/ワイ・カーファイ)

ターンレフト ターンライト

ジョニー・トー第13弾。

まず一言言ってもいいですか?
ありえねー!!

キャッチコピーになっている『カンフーハッスル』よりよっぽどありえないと思います。
でもまあ原作が絵本なので、ツッコミは反則ですよね。

同じアパートの隣同士に住んでいながら、アパートを出ていつも右に歩き始める男と、いつも左に歩き始める女、一番近くにいながら一度も会ったことがない二人。

ある日公園で偶然出会った二人、なんとそれは初恋以来13年ぶりの再会だった…。
自分も10年ぶりの偶然の再会という体験があるので、ここまではまあわかります。

突然の大雨に電話番号を交換して別れる二人。
しかし、番号は雨に濡れて消えていた…。

ターンレフト ターンライト 金城武 ジジ・リョン

ここから、そこまですれ違いますかというくらいすれ違う二人。
ここまでやってくれると凄いです。

でも、二人から相手を探すように頼まれた赤ちゃんや犬が、相手に会った時に反応を示すあたりはいいですね~。本人たちはわからないわけですが。

あと、お互いに現れるライバルが超強力。
『Needing You』のように顔もよくてお金持ちでという意味の強力ではなくて、キャラが強烈。この二人は笑わせてくれます。
部屋に勝手に入り込んで、勝手に夫婦を名乗るなどやりたい放題。この二人に比べたら『恋する惑星』でフェイ・ウォンがやっていることなんか可愛いものです(笑)

ジョニー・トー作品ということで、もちろんラム・シューも登場。今回はなんとフレンチレストランのオーナー!
似合ってませんが、相変わらず存在感だけは抜群(笑)

強烈な脇役によってさらに引き立つ主役の美男美女、金城武にジジ・リョン。
無名のバイオリニスト金城武がバイオリンを弾く姿は絵になっていますし、売れない翻訳家ジジ・リョンが訳す詩の内容も素敵です。

思わずありえねー!と叫ばずにはいられないのはラストで、展開からして二人が出会うのはわかりきっているわけですが、出会い方が凄まじい!
お約束のハッピーエンドのためとはいえ、ハリウッドでさえここまではやらないでしょう。さすが香港映画(笑)
ぜひご自身の目でこの驚愕のラストをご覧になって下さい。

それでも、昨日街ですれ違った名も知らぬ誰かが、ひょっとしたら運命の人かもしれないですよね。

この映画一番びっくりしたのは、映画の冒頭、いつもの~有限公司の前にWBの文字が出たこと。
ワーナー・ブラザース配給。

ジョニー・トー、いよいよ世界進出か!?(笑)

 

ターンレフト・ターンライト 特別版 [DVD]

[原題]向左走、向右走
2003/香港・シンガポール/99分
[監督]ジョニー・トー/ワイ・カーファイ
[脚本]ワイ・カーファイ/ヤウ・ナイホイ/オー・キンイー/イップ・ティンシン
[編集]ロー・ウィンチョン
[原作]ジミー・リャオ
[出演]金城武/ジジ・リョン/ラム・シュー/エドマンド・チャン/テリー・クワン/ホイ・シウホン

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