
ジョニー・トー監督作品第4弾は、今までの痺れる映画からがらりと傾向を変えて、いかにも香港映画というB級アクション映画『ワンダーガールズ 東方三侠』です。
以前、先にベスト3を観てしまったので後が心配と書いたジョニー・トーですが、不安は的中し、同じ監督が撮ったんかい!と突っ込みたくなる作品ばかり。
火曜サスペンス劇場の域を出ていない『城市特警』、チョウ・ユンファのオカマがハマりすぎで怖いラブ・コメディ『僕たちは天使じゃない』、そしてこの『ワンダーガールズ 東方三侠』。
でも、どれも嫌いじゃありません(笑)
この映画、典型的なB級アクション映画ですが、メンバーは豪華です。
アニタ・ムイ、ミシェル・ヨー、マギー・チャン、さらにアンソニー・ウォン。
アニメのヒーローもののノリで、その名もワンダーガールズ。
あのマギー・チャンまでもが、『ラヴソング』や『花様年華』などからは想像もつかないはじけっぷり。
大スターが平気でこういう映画に出る、香港映画の魅力の一つですよね。

内容については、書くような内容はありません(笑)
回り飛ぶおなじみのワイヤー・アクション、バイクまでもが回転しながら飛び、駅には列車が突入、マンホールの下の世界はなぜか魔宮(笑)
3人がマントを羽織って歩き出すシーンは、『ヒーロー・ネバー・ダイ』で山小屋での銃撃戦にラウ・チンワンが演歌調の音楽をバックに現れるシーンのノリで、笑っちゃうくらいかっこいい。
何一つ難しいことはなく、ただ笑っていればいい映画。
これで2時間引っ張られたらつらいですが、そこはジョニー・トー、さすがに87分にちゃんとまとめています。
ちなみに、続編は観るに耐えない駄作(笑)
同じように単純にアクションで楽しませてくれればいいものを、下手にドラマ路線に走って玉砕した感じ。
ただ、少なからず見せ場はあって、まずはなんとこれがデビュー作となった金城武。
教祖の役で登場し哀れな末路に(笑)
さらに、『ヒーロー・ネバー・ダイ』『暗戦 デッドエンド』『ロンゲストナイト』の3本で一躍お気に入り俳優となったラウ・チンワンも登場。しかも、テンガロンハット!
マギー・チャンとクンフー対決を繰り広げたかと思えば、いつの間にかお互いに愛を告白、しかし、こちらも哀れな末路に(笑)
さて、製作も含めたジョニー・トー作品、これで観たのは8本。
『ザ・ミッション/非情の掟』『ヒーロー・ネバー・ダイ』『暗戦 デッドエンド』『ロンゲストナイト』、痺れる漢の映画4本。
『城市特警』『僕たちは天使じゃない』『ワンダーガールズ 東方三侠』『ワンダーガールズ 東方三侠2』、B級4本。
この落差はいったい…(笑)
次はラブ・ストーリー路線を開拓しようかなぁ。
[原題]東方三俠1993/香港/87分
[監督]ジョニー・トー
[アクション監督]チン・シウトン
[出演]アニタ・ムイ/ミシェル・ヨー/マギー・チャン/アンソニー・ウォン