2005年に観た映画ベスト3&香港映画への道

今年もやってきましたまとめ企画。
本当はBEST10にしたいんですが、10本選べるほど観てないので、今年もBEST3です。

その前に、去年と同じように、前年度を振り返ってみましょう。
2004年のBEST3は…。

インファナル・アフェア 無間序曲
②シービスケット
③ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還

去年は『インファナル・アフェア 無間序曲』がダントツでしたね。
最近トリロジーBOXでもう一度3本観ましたが、やっぱり一番の傑作は『インファナル・アフェア 無間序曲』ですね。アンドリュー・ラウ監督も『インファナル・アフェア 無間序曲』が一番お気に入りと言ってましたが。

さて今年。
劇場鑑賞は、去年よりさらに減って11本。ついに平均月1本すら観てないことに…。
たいした本数ではないので、全部並べてみましょう。
順番は観た順番です。

・インファナル・アフェア 終極無間
・ミリオンダラー・ベイビー
・ダニー・ザ・ドッグ
・スター・ウォーズ エピソードⅢ/シスの復讐
・ライフ・イズ・ミラクル
・ヴェラ・ドレイク
・頭文字D THE MOVIE
・蝉しぐれ
・セブンソード
・ベルベット・レイン
・イエスタデイ、ワンスモア

では、いよいよBEST3の発表です!
今年は3位から。

第3位、『蝉しぐれ』

ただでさえ邦画をほとんど観ない人間なのに、劇場での鑑賞となると、たぶん3年ほど前の北野武監督の『Dolls<ドールズ>』以来。
なんで観に行ったかといえば、NHK版のファンだったから。
予想通りキャストはNHK版の方がよかったですが、劇場の大スクリーンで日本の美しい四季を堪能できただけでも、大満足な1本でした。

続いて第2位、『頭文字D THE MOVIE』

これは、原作も一度も読んだことがないですし、『インファナル・アフェア』のスタッフ、キャストだから一応観に行くかという程度で、正直あまり期待してなかったんですが、どっこい、めちゃくちゃ面白い!
面白さ、楽しめた、という点ではこれが一番でしょう。
吹替版の上映しかなかったので、DVDで字幕版を観るのが楽しみです。

そして第1位は・・・、迷うことなく『ヴェラ・ドレイク』

今年は、残念ながらアンゲロプロスの『エレニの旅』とケン・ローチの『やさしくキスをして』を見逃したんですが、それでも、『インファナル・アフェア 終極無間』があり、イーストウッドの『ミリオンダラー・ベイビー』があり、クストリッツァの『ライフ・イズ・ミラクル』もありと、よくぞここまで同じ年に集まったなというくらいの激戦だったんですが、終わってみればマイク・リー。

あくまで自分にとってですが、『ミリオンダラー・ベイビー』『ペイルライダー』を超えることはなく、『ライフ・イズ・ミラクル』『アンダーグラウンド』を超えることはなかったですが、『ヴェラ・ドレイク』『秘密と嘘』を超えたかもしれません。

『ミリオンダラー・ベイビー』はラスト30分までは文句なしの傑作でしたが、タイトルマッチでの悪意のパンチの映像がイーストウッドらしからぬわざとらしさで、そこで一気にトーンダウン。

『ライフ・イズ・ミラクル』は十分に素晴らしいんですが、やはり『アンダーグラウンド』のパワーにはかなわない。

その点『ヴェラ・ドレイク』、いつものごとく、自分の役のこと以外は何も知らない役者たちによる、わざとらしさの入り込む余地のない、最高レベルの演技の応酬。
今回はさらに、イメルダ・スタウントンという名優を得て、もう参りましたというしかない演技の数々。

それでいて、描かれているのは、これまたいつものごとく、家族の何でもない毎日。
たとえ堕胎の話がなかったとしても、家族の食事や、食後の団らんだけでも、マイク・リーなら飽きさせずに2時間魅せるでしょう。

そして、娘の婚約者の言った、「人生で最高のクリスマスをありがとう」、これが今年のベスト台詞。
文字通り涙でスクリーンが見えませんでした…。

さて、劇場鑑賞の話はこれくらいにして、ここからはビデオやDVDで観た映画について。
劇場の11本の後半が香港映画ばかりなことからもわかるように、今年は香港映画に目覚めた年でした。

香港映画といえば、ウォン・カーウァイ監督は昔から大好きで全部観てますが、あとは『男たちの挽歌』や、ここ2年ほどの『インファナル・アフェア』シリーズくらい。

それが、1本の映画との出会いから、一気に香港映画の世界に堕ちるはめに。

『ザ・ミッション/非情の掟』(ジョニー・トー)

ぶっ飛びましたねこれは。こんなにかっこよくていいのかと…。

ハリウッドのアクション映画が束になってかかっても、この1本に勝てないんじゃないですかね。
影響を受けた監督として黒澤明と北野武の名を挙げるジョニー・トー、北野武監督が『ソナチネ』で見せた“静と動の対比”をさらに進化。
中でも閉店間際のジャスコでの銃撃戦、あのかっこよさは映画史にその名を刻むでしょう。

続けて観た『ヒーロー・ネバー・ダイ』の殺し屋同士の奇妙な友情にボロボロと泣き、『暗戦 デッドエンド』の一切の無駄のない完成度にとどめを刺されるに至って、ジョニー・トー信仰は決定的に。

その後ひたすら監督作品(だけではなく製作作品まで)を観続けて、現在32本。
途中で日本の商品は観尽くして、YesAsia.comにも進出。
日本語字幕がなくても、辞書片手に英語字幕での鑑賞。もはや完全に信者です(笑)

今年の後半はただひたすらジョニー・トーでした。
おかげで「皆様のお勧め映画」の鑑賞は全然進んでません、すいません…。

ジョニー・トー監督と同時に、すっかりファンになったのがラム・シュー。
監督や主演が誰であろうと、ラム・シューが出てるというだけで『ムービング・ターゲット』や『爆裂都市』といった映画まで観るはめに。
そんな中にあっては『冷戦』は拾いものでした。

ジョニー・トー祭り開催中ずっと、そろそろUPする映画のバランスを取り戻そうと思いますと書いてましたが、結局年内はずっとジョニー・トー一色でした…。
来年こそは、バランスよくいろんな映画をUPしていきたいと思います。

長くなりましたが、今年も「愛すべき映画たち」を訪れて下さった多くの方々、本当にありがとうございました。
来年も、「愛すべき映画たち」を宜しくお願い致します。
それでは皆様、よいお年を!