管理人この秋一番の期待作『ベルベット・レイン』、観て来ました。
事前にhi-chan様からラム・シューが出ているという貴重な情報をいただいたので、テーマは「ラム・シューを探せ」。
昔「ウォーリーを探せ」という本がありましたが、ウォーリーを探すのよりは遙かに簡単(笑)
エンドクレジットで役名を観て爆笑。
“肥警察”、ただの“警察”じゃだめなのか(笑)
しかも、拳銃を紛失。『PTU』の教訓が何一つ生かされてないじゃないですか!
普通にかっこいい警官なら、ラム・シューが出る意味はないわけですが…。
さて、ラム・シューネタはこのあたりにして、肝心の映画の感想を。
期待が大きすぎたというのもありますが、正直に書きます。
以下、ネタバレ全開。
未見の方は、ご注意下さい。
イック=ホン、ターボ=レフティというオチは悪くない、でも逆に言うと、このオチがなかったら、なんてことはない映画のような…。
一言で言うと、軽い、軽すぎる。
第2のウォン・カーウァイなんて言われているみたいですが、ウォン・カーウァイ、というよりクリストファー・ドイルのカメラが活きるのは、『恋する惑星』や『花様年華』のような映画か、あるいは一転『楽園の瑕』のような映画だからこそであって、黒社会ものであれをやられてはかないません。
今回はそれをやってしまった感じ。
クリストファー・ドイルのレベルにあるかどうかは別として。
それに何よりも、スローモーションの使いすぎに幻滅。
スローモーションというのは、ここぞという時に使うからこそ効果的なのであって、こうも全編に渡って乱発されては、ただ映画の流れを止めているだけ。
イックのお母さんが家の奥に去っていく、そんなシーンまでスローモーションにする必要がどこにあるのか。
キマッていたのはレフティの登場シーンくらい。
あと、音楽もかっこいいといえばかっこいいんですが、黒社会もので流す音楽じゃない。
逆に言うと、かっこいい映像やかっこいい音楽を楽しみに観に行かれる方は、かなりツボにはまるかも。
自分は“香港ノワール”を期待して観に行ったので、イックとヨーヨーがあの音楽をバックに手をつないで走り出した日には、月9ですか?と危うく笑いそうに…。
以前、「個人的には、これを観たジョニー・トー監督が、「黒社会もので俺に張り合おうなんて10年早い、目にもの見せてやる!」と、『ザ・ミッション/非情の掟』を上回る大傑作を撮ってくれる展開を期待しています。」と書きましたが、これではジョニー・トー監督には眼中にないでしょうね。
ただこの監督、ラブコメディなんかを撮れば強いかも。
さて、散々けなしてきたわけですが、一つだけ傑作が。
ショーン・ユーの目、なんて目をするのか…。
この“目”はいつの日かトニー・レオンを越えるかもしれませんね。
『インファナル・アフェアII 無間序曲』では区別がつかなかったエディソン・チャンとショーン・ユー。
『頭文字D THE MOVIE』でやっと顔の特徴をつかみ、エディソン・チャンの方がかっこいいじゃんと思っていたところを、とんでもない。
あの目だけで、ショーン・ユーはもうエディソン・チャンが追いつけないところまでいっているのでは!?
レスリー・チャン亡き今、トニー・レオンに続く、“悲しみ”ではなく“哀しみ”を体現できる役者の登場かもしれません。
ショーン・ユーのこの目を観れただけでも、映画館に駆けつけた甲斐はありました。
[原題]江湖
2004/香港/85分
[監督]ウォン・ジンポー
[出演]アンディ・ラウ/ジャッキー・チュン/ショーン・ユー/エディソン・チャン/エリック・ツァン/ラム・カートン/ン・シンリン/ラム・シュー
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