2012年に観た映画ベスト10

今年もやってきました、毎年恒例のまとめ企画。

一昨年から順位付けをやめ、順不同で10本にしていますが、今年も同じでいこうと思います。
順不同の同格で、順番は50音順(邦題無しは最後に)です。

基準は、毎年書いていますが、新旧関係なく、映画として出来がどうかでもなく、“初見の映画”で、“その映画がどれだけ自分にとって愛すべき映画か”、それだけです。

→参考までに2011年のBEST10はこちら

例年以上に最後の最後まで迷いましたが、これで決定です!

では、早速いってみましょう。

裏切りのサーカス(トーマス・アルフレッドソン)

映画館に3回観に行った映画その1。
半端ない絵作り、世界観作りの中に、一癖も二癖もある面構えがずらりと並ぶ。中でも、ジョン・ハートの顔の説得力。
言葉の代わりに物言う視線、全てを支える、物語の圧倒的な力。
アバンタイトル、最後にサーカス内をコントロールとスマイリーが去っていく横移動に合わせて出るタイトル、鳥肌モノのかっこよさ。

俺たち喧嘩スケーター(マイケル・ドース)

『ガンマン大連合』級の笑顔、『北国の帝王』級のどつき合い、『ヒート』みたいなテーブルを挟んでのface to face。
ある男が自らの居場所を見つけるまでの物語であり、別の男の立ち直りの物語でもあり、そんな二人に芽生える友情の物語でもある。
こんな最高の映画が、劇場未公開どころかレンタルオンリーなんて、ほんとに信じられません。

鍵泥棒のメソッド(内田けんじ)

映画館に3回観に行った映画その2。
内田けんじ監督十八番の時間軸交差を封印した正攻法に、ゲラゲラ笑ってボロボロ泣いた。「知り合いになっていただけませんか?」「もうなってますよ」など、今回も素晴らしい台詞のオンパレード。
“間違えたDVD”のシーンの破壊力は凄まじく、わかってても3回とも涙腺決壊。
劇中の台詞にもあるように、「胸がキューン」とした時点でもう完全に降参。

高海抜の恋(ジョニー・トー)

“元通りにする”を越えて、新たな一歩を踏み出すということ、ワイ・カーファイが一貫して描いてきたテーマ、どうなるかはわからない、それでも、一歩を踏み出さなければ何も始まらない。
明らかになる原題のⅡの意味、映画の力を借りて、新たな一歩を踏み出す二人に涙が止まらない。
キスどころか、指一本触れないあるシーンが素晴らしすぎる。

サニー 永遠の仲間たち(カン・ヒョンチョル)

映画館に3回観に行った映画その3。
これまた全編笑い転げて全編泣いた。ワンパターンの韓流ドラマと少女時代を自らこき下ろした上でのベタ全開の展開が、圧倒的パワーで最後までぶっちぎる。
オープニングで一気に魔法がかかる「Time After Time」、エンディングで同じ曲がかかって魔法が解けるまで、あっという間の2時間。

ザ・レイド(ギャレス・エヴァンス)

“10年に1本のアクション映画”という謳い文句が大袈裟でもなんでもなかった、今年最強のアクション映画。
映画史上に残る悪役マッド・ドッグ、彼が吐いた今年のベスト台詞、「銃は簡単すぎる、まるでファーストフードだ」。
『燃えよドラゴン』をリアルタイムで映画館で観られなかった世代として、これを映画館で観れたことは、何十年後かに絶対自慢できる、それくらいの映画。

ブリーダー(ニコラス・ウィンディング・レフン)

公開当時あんなに絶賛していた『ドライヴ』が入らなかったのはこの映画のため。
映画のことしか頭にないビデオ屋(VHS限定)の店員が恋に落ちるという設定だけでも素晴らしいのに、それを演じているのがマッツ・ミケルセンという、この時点でもう年間BEST10入りは確実でしょう(笑)
彼はニコラス・ウィンディング・レフン監督の分身でもあるでしょうね。

マダガスカル3(エリック・ダーネル/トム・マクグラス/コンラッド・ヴァーノン)

エンターテイメントとしてパーフェクト。今まで観た3Dの中で一番興奮したサーカスのシーンだけでも必見!
周りで大盛り上がりだった子供たちに混じりたかった、それくらい素晴らしい!(笑)

ル・アーヴルの靴みがき(アキ・カウリスマキ)

待ちに待った、5年ぶりのカウリスマキの最新作。
現代的な社会問題を扱っていて、実は凄く大きな話でもありながら、そこはカウリスマキ、身近な人々に寄り添う眼差し、活躍するのは、靴磨きのおやじ、飲み屋のおばちゃん、パン屋のおばちゃん、八百屋のおやじ!
そして訪れる、「映画史上、最高のハッピーエンド」。

車手(ソイ・チェン)

『ドライヴ』が入らなかった理由その2。
明らかに『ドライヴ』を意識しながら、その一歩先にいくために、「量」や「質」ではなく、「アイデア」で勝負したところがほんとに素晴らしい。
時速2kmのカーチェイス、『ドライヴ』よ、これが香港からの返答だ!

泣く泣く絞りましたが、今年も迷った作品はあえて書きません。

昨年以上にTwitterの方を本格的にやるようになって、今まで以上にたくさんの方々と楽しい映画のお話をさせていただきました。

そして、こちらのブログにも相変わらず多くの方に訪問していただきました、改めまして、本当にありがとうございます。

来年もまたぼちぼち更新していきますので、「愛すべき映画たち」を今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

それでは皆様、よいお年を!

→過去の年間BESTはこちら


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Mega Star 2012-03-30