セシリア・チャン第11弾。
“パクリの帝王”バリー・ウォン大先生、今回は『SEX and the CITY』をいただきだい!
古くは『男たちの挽歌』から『男たちのバッカ野郎』、近年では『インファナル・アフェア』から『インファナル・アンフェア 無間笑』、『カンフーハッスル』が大ヒットすればすかさず『カンフー麻雀』を作る(こちらは続編もあり)、香港娯楽映画の帝王、我らがバリー・ウォン大先生。
いくらウォン・カーウァイやジョニー・トーが世界の映画祭で騒がれようと、香港の歴代興行収入はこのお方の独壇場。
自分も大好きで、すでに何本かUPしています。
何も考えずに90分楽しませてくれる、そういう映画を撮らせたらこの人の右に出る者はいません。
そんなバリー・ウォン監督、さすがにネタ切れか!と思いきや、引っ張りだしてきたのはアメリカの大ヒットドラマ『SEX and the CITY』。
下ネタ大好きバリー・ウォン監督、これ以上のネタはありません(笑)
他の国なら、こういう映画に出るのはそれなりの俳優でしょうが、『楽園の瑕』のあの超オールスターキャストがそのまま『大英雄』に出てしまう香港、今回もトップ俳優たちが楽しそうに出演。
女優陣は、精神科医にカリーナ・ラウ、バーの経営者兼冒険家のヨーヨー・モン、官能小説家アテナ・チュウ、カリーナの元恋人の娘で、ボサボサ頭にお歯黒に一文字眉の強烈キャラにセシリア・チャン!
そんな彼女たちと恋愛を繰り広げる男優陣も、レオン・カーファイ、エディソン・チャン、アンディ・ホイなど豪華です。
レオン・カーファイは黒社会のボスながら、『エレクション』からは想像もつかない弱虫のボスで、カリーナの精神科に泣きに来るようなボス。
黒社会の重鎮としてウォン・ティンラム御大が出てくるあたり、さすがはバリー・ウォン監督、ツボは外しません。
強烈なのはアテナ・チュウの二股で、片やバーであった若者エディソン・チャン、片やラジオで一緒に仕事をした中年キャスター、ホイ・シウホン。
お約束で鉢合わせとなるわけですが、なんと二人は親子。
ホイ・シウホンの息子がエディソン・チャンなんて、ありえません!(笑)
ホイ・シウホンがわからない方は、『暗戦 デッドエンド』のラウ・チンワンのダメ上司、『ブレイキング・ニュース』のニック・チョンの部下で焼き芋を食べてはおならをしていた人。
ありえませんよね?(笑)
お気に入りセシは途中から綺麗になりますが、『恋のQピッド』に続いてサッカーをしているところが見れます。
こんな映画でも、必殺の怒りと悲しみが同居した例の表情は健在。
具体的には、“ボディガードとお嬢様”から一日だけ“恋人同士”になった翌朝、彼を睨む表情は絶品です。
この映画最大の見所は、カリーナ姐さんの“イッたフリ”の迫真の演技。
トニー・レオンはこれを見てどう思うでしょうか?(爆)
先に挙げた3本もそうですし、他にUPしている『エブリデイ イズ バレンタイン』もそうですが、1時間後にはさっぱり忘れてますし、後々感動がよみがえるなんてこともありません。
でも、観ている間は終始ニコニコ、時にバカ笑いし、時にちょっとじ~んとし、ああ楽しかったと普段の生活に戻る。
ジョニー・トー監督がいる限り香港ノワールは大丈夫なように、バリー・ウォン監督がいる限り香港娯楽映画は大丈夫でしょう。
バリー・ウォン大先生、これからもずっとついていきます。
[原題]性感都市
2004/香港/101分
[監督・脚本]バリー・ウォン
[出演]エディソン・チャン/セシリア・チャン/レオン・カーファイ/カリーナ・ラウ/ヨーヨー・モン/アテナ・チュウ/アンディ・ホイ/ウォン・ティンラム/ホイ・シウホン