イーストウッドの『ミリオンダラー・ベイビー』に高まる期待

ミリオンダラー・ベイビー

映画について文章を書く人の中で、自分が信頼している人の一人、小林信彦氏。

もちろん当ブログ常連の双葉十三郎氏や、故淀川長治氏なども素晴らしいのは言うまでもありませんが。

小林信彦氏の『ぼくが選んだ洋画・邦画ベスト200』という本の中に、「ぼくが何度もくりかえして観た映画、またはもう一度観たいと思っている映画」という基準で選んだ洋画ベスト100があります。

「かなり映画史に妥協しているので、自分の趣味は抑えている」とのことで、“いわゆる”な名作も入っていますが、このラインナップが素晴らしい。

『我が輩はカモである』『ヒズ・ガール・フライデー』『バルカン超特急』『ニノチカ』『情婦』『狩人の夜』『桃色の店』『赤い河』『アニーよ銃をとれ』『お熱いのがお好き』『ワイルドバンチ』『スティング』『パルプ・フィクション』などなど。

当ブログUP作品とかなりかぶっているのは気のせいではないと思います(笑)

さて、ここからが本題ですが、その小林信彦氏と自分の好みが共通している一つの例が、クリント・イーストウッドです。
先ほどのベスト100には『恐怖のメロディ』と『許されざる者』の2本が入っていますが、『許されざる者』はまぁあり得るとしても、映画史上のベスト100を選ぶ時に『恐怖のメロディ』を入れるなどということは、“スター”イーストウッドではなく“作家”イーストウッドが好きでないと絶対にできない芸当。

その小林信彦氏が、いつも自分が読んでいる新聞にたまにコラムを書いているんですが、最新の話題が『ミリオンダラー・ベイビー』でした。

先ほどのベスト100でも1975年までの作品ですでに92本になって、それ以降ではわずか8本しかベスト100入りしていないように、近年の作品に“秀作”や“佳作”という言葉は使っても、“名作”“傑作”という言葉はなかなかお目にかかりません。

そんな小林信彦氏をして“アメリカ映画史上に残る名作”と言わしめた『ミリオンダラー・ベイビー』
これは久しぶりに、『センチメンタル・アドベンチャー』『ペイルライダー』『許されざる者』クラスの傑作かもしれません。
期待は高まるばかりです。

 

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