『ワイルドバンチ』(サム・ペキンパー)

ワイルドバンチ

“最後の西部劇監督”と呼ばれるサム・ペキンパー監督の代表作としてあまりに有名な作品。

追っ手に追われながらもメキシコの大将マパッチ将軍の依頼で米軍の銃器類を強奪した5人の強盗団。
しかし、引渡しの際にマパッチは、彼らの1人を人質に取る。
いったんは引き下がった彼らだったが、たった4人でマパッチ軍に壮絶な殴り込みをかける…。

あまりにも有名なラストの銃撃戦。後の映画にも絶大な影響を与え、“死のバレエ”とも呼ばれますが、何度観ても凄すぎます。
辺り構わず暴れまくる機関銃の弾丸の嵐、飛び散る鮮血、スローモーションによるその圧倒的な迫力は、もはや芸術。

凄まじいまでの銃撃戦ですが、まさに“美しい”の一言。
これに影響を受けたシーンは数知れずあれど、いまだにこれ以上のものは観たことがありません。

そして、暴力だけでなく、この映画はやっぱり“男の美学”、そして“滅びの美学”。
ラストの銃撃戦を前に、銃を抱えながら横一列になって死に場所へ歩を進める男たち、何百人の敵を前にしながら、顔を見合わせながら笑う男たち、ともに鳥肌が立ちました…。

ワイルドバンチ

そして、映画史に残る名台詞「Let’s go.」「Why not?」、何度観ても震えます…。
つらい時、苦しい時、前が見えない時、ふと聞こえてくるウイリアム・ホールデンの「Let’s go.」、あのシーンを思い出してはまた前に進むのです。

大傑作。

 

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[原題]The Wild Bunch
1969/アメリカ/145分
[監督]サム・ペキンパー
[撮影]ルシアン・バラード
[出演]ウィリアム・ホールデン/アーネスト・ボーグナイン/ロバート・ライアン/ウォーレン・オーツ/ベン・ジョンソン

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