No.38 帰ってきた男たち

今回の話題は、いよいよ開幕したリーガ・エスパニョーラの開幕戦の中から、最注目のバルセロナVSA・マドリード戦です。

帰ってきたその①はまずアトレティコのチーム自体。3シーズンぶりの1部リーグ復帰です。2年間2部リーグに落ちていたとはいえ、リーグ優勝9回はビッグ2に次ぐ回数で、文句なしの名門、そして強豪です。

1部復帰にあたり、これでもかというくらいの補強をしてきました。
その筆頭がACミランからやってきたアルベルティーニ。バレージらと共にミランの黄金期を支えた彼ももう31歳。それでもワールドクラスのボランチであることには疑いの余地もなく、まだまだ魅せてくれることでしょう。
続いて、こちらも実績十分のセルジ。彼にとってはいきなり前所属バルサとの対決となりました。さらに、エメルソン、ハビ・モレーノ、ホセ・マリ、コロッチーニなどなど、ほんとにこれでもかという補強をしてシーズンに乗り込んできました。
もちろん、寄せ集めの選手たちがかみ合わない可能性も大ですが、大いなる可能性を秘めていることだけは間違いありません。

次に、帰ってきたその②はファン・ハール。初戦から最高にスペクタルなサッカーを見せてくれました。去年のレシャックのチームと同じチームかと目を疑いたくなるほど、まったく別のチームでした。リバウドが抜けた穴を感じさせるどころか、クライファート、サビオラ、ルイス・エンリケと揃う前線は破壊力十分、チャビ、コクーの運動量も申し分なしです。

帰ってきたその③はガイスカ・メンディエタ。バレンシアであれだけの活躍をしながらラツィオに行った途端一気に精彩を欠き、W杯でも明らかにコンディションが悪そうに見えた彼ですが、1シーズンでスペインに、しかもバルセロナに帰ってきました。開幕戦では、サイドに張り付いて自分の役割をしっかりとこなし、クロスボールの精度も目を見張るものがありました。ファン・ハールの信頼も勝ち得ているようなので、今シーズンはまた素晴らしい彼のプレーが見られそうでとても楽しみです。

結果は別にして、内容的にはバルサのサッカーはブラボーの一言でしたが、他の試合でも、全10試合の総得点が35点。1試合平均で3.5点。これでこそリーガ・エスパニョーラです。セリエAはさらに開幕が遅れそうという噂でますます興味が薄れていきそうですが、サッカーの内容的にも、“負けないこと”が第一のイタリアと、まずは“攻撃”そして“勝つこと”のスペイン。後者の方が面白いのは言うまでもありません。

バレージがいた頃の1-0を至上とするサッカーは、芸術的なラインコントロールのこともあって見ていても凄いと思わせるものがありましたが、最近のイタリアサッカーにはそこまで凄いと思わせる守備があるわけでもなく、W杯でも3大会連続PK戦敗退の後、この前も後半15分にして守りに入って追いつかれて敗退と、ほんとに時代の流れから取り残されているだけです。

それにひきかえ、3点取られても4点とれば勝ちは勝ちというのがスペインのサッカー。ロナウドがフィットした場合にはレアルの圧勝に終わってしまう可能性も大ですが、今シーズンもほんとに楽しませてくれそうです。

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