No.13 魂の咆哮

精神力では他の追随を許さない両チームの対決。
初戦を8-0で勝ったもののあれはサウジが弱すぎただけで、今日で本当の実力がわかるドイツ、そしてマッカーシー監督がカメルーン戦の後「ドイツがカメルーンより強いとは思わない」と臨戦態勢十分のアイルランド。個人的にアルゼンチンvsイングランドと並び予選リーグでは最も注目していた試合でした。

試合は、間違いなくこれまでの今大会のベストゲームでした。全試合が終わった後もなおベストゲームかもしれません。それぐらいの文句なしの最高の試合でした。

先制点はドイツ。バラックのクロス、クローゼのヘディングとも完璧。クローゼ、今大会得点王に最も近い選手かもしれません。

しかし、ドイツもアイルランドがサウジとは格が違うことは百も承知で、ここからさらに追加点を狙うのではなく、一転守りに入りました。先制点のクローゼでさえ守備に専念。イタリアも顔負けのカテナチオを披露。1トップに5バック。おいおいそこまで守るかよというぐらい徹底した守り。しかも、ほんとに組織的で、相手に合わせて4バックに戻したり、柔軟性も十分でした。

一方アイルランド、このチーム、1点取られたくらいではびくともしません。ロイ・キーンが抜けたことで逆に団結力が高まった感さえします。
システムは典型的な4-4-2。ツートップはともにスピード感十分で常にDFの背後を狙っています。

そして、試合を通じて徹底したサイドからの攻撃。先日のドイツvsサウジ戦を見てもわかるように、DFにとって最も嫌なのはサイドからの攻撃。そのサイド攻撃を何度失敗しても徹底して繰り返すアイルランド。ドイツの守備は確かに完璧でしたが、サイドからの突破には何度か崩される場面がありました。
さらに中央からは、カメルーン戦でも得点を決めたホランド。今日も惜しいシュートを放っていました。

そして後半、アイルランドはさらにサイド攻撃を徹底させ猛攻をしかけます。そこに立ちはだかったのが守護神カーンでした。先日の日記で「暇すぎ・・・」という彼のコメント!?を紹介しましたが、今日は「やっと俺の見せ場だぜ!」といったところでしょうか。完全な一点ものを止めた他スーパーセーブ連発。今大会やっとレギュラーをつかんだカーン、今日はサウジ戦と違い試合前から表情が違ってました。

アイルランドは一気に2人を交代。その直後にゴール正面でのフリーキック。イアン・ハートが交代していなければ絶好の見せ場でした。彼なら決めていたかもしれません、それくらい絶好の位置でした。

ポストプレーでは世界でもトップレベルのクイン。相変わらずでかすぎます!

そして、なんと92分、魂と魂の激突はわずかにアイルランドの魂の方が上回っていました。先日の試合では惜しくもポストに阻まれたロビー・キーン、ここ一番でついにやってくれました。さすがのカーンもついに陥落。

あのバイエルンvsマンチェスターの伝説の試合以来久しぶりに鳥肌が立つ試合でした。アイルランドの魂にほんとに震えました・・・。

サッカー日記の最新記事4件