No.64 マンUエンジン全開!

今回の話題は、最近いよいよエンジン全開となってきた我がマンチェスター・ユナイテッドについてと、チャンピオンズリーグ2次リーグ第2節や、この週末に行われた各国リーグ戦のことなどいろいろです。

さて、贔屓のマンUですが、今シーズンは開幕から一向に調子が上がらず、アーセナルの無敗神話が続いている間は勝ち点にして最大10くらい差をつけられ、年内にして早くもプレミアの覇権奪回は絶望かと思われていました。

そしてマンUピンチを決定づけたのが11月9日に行われたマンチェスター・シティとのマンチェスターダービー。そこでアウェーとはいえ3-1と完敗。久々のマンチェスターダービーでの敗戦で、選手たちのショックも相当なものだったといいます。アーセナルやリヴァプールとの試合ももちろん大一番ですが、やっぱりダービーだけは格別なようで、ベッカムもこの試合だけは特別なんだと言っていました。その試合で3-1の完敗。

しかしこの敗戦が選手たちに火をつけたのは間違いありません。次節ではアウェーでウェストハムと引き分けたものの、そこから上位陣との直接対決にことごとく勝利を収めていきました。

まずは昨シーズン4位のニューカッスル相手にオールド・トラフォードで壮絶な撃ち合いの末5-3で勝利。

そしてアンフィールドに乗り込んでの昨シーズン2位のリヴァプールとの対決でも、ドゥデクの信じられないミスに助けられたとはいえフォルランの2ゴールで1-2と勝利。

そしてそしてオールド・トラフォードに昨シーズンのプレミア覇者アーセナルを迎えての大一番を迎えました。昨シーズンはアーセナルにリーグ戦ではホーム、アウェーとも敗れ、ワージントンカップでも敗戦を喫し、何よりアーセナルが優勝を決めたのもオールド・トラフォードでした。そんな屈辱を味わわされて黙っているわけにはいきません。

そしてこの試合で獅子奮迅の働きを見せてくれたのが、マンUではギグスの次にお気に入りのスコールズ。1得点1アシストと全得点に絡む活躍。ほんとに頼りになります。

そしてこの快進撃の間、皮肉なことにベッカムは離脱中でした。しかし、ベッカムは確かにアーリークロスとフリーキックは超一流で、チームにとって大きな武器となることに間違いはありませんが、チームにとって必要不可欠かといえばそうではありません。

その点スコールズはマンUにとっては欠かすことのできない選手です。現に、スコールズガ怪我で離脱していた間、マンUの攻撃はひどいものでした。しかし、彼1人帰ってきただけで、同じチームかと思わせるほど、流れるような攻撃を復帰戦で見せてくれたのです。

そのことはこの日記でも『待ってましたスコールズ!』の時に書きました。ベッカムのプレーが“点”でのワールドクラスのプレーであるのに対して、スコールズのそれは“線”としてのものです。言い方を変えればチームに攻撃時においての“流れ”と“勢い”と生み出すことができるのがスコールズなのです。これはスコールズがいる試合とそうでない試合を見比べてみれば一目瞭然です。

そしてアーセナル戦でも、1点目のベロンのゴールをアシストしたグラウンダーでのクロスボール、さらに自らのゴールも中盤からゴール前に飛び込んでいってトラップ一発でDFを振り切って叩き込んだもの。どちらのゴールにも“流れ”とそして“勢い”がありました。

そして、先週のミッドウィークのデポルティボとのチャンピオンズリーグの大一番でも、ユナイテッドは得点差以上の内容で2-0と完勝。特に、中央にベロンとフィル・ネヴィルを配し、右にスールシャール、左ギグス、そして1.5列目にスコールズという中盤は、運動量が申し分なく、相手がボールを持った時のプレッシャーのかけ方が完璧。これはアーセナル戦にも言えたことでした。

特にフィル・ネヴィルの頑張りは特筆もので、キーンやバットの穴をまったく感じさせません。どこかもう一つという感じのした彼ですが、最近の動きを見せられては安心して中盤を任せられます。しかもただ献身的に守備をするだけでなく、前線への飛び出しにも積極的です。

そしてこの中盤は今のところ完璧で、デポルティボ戦の終盤ベッカムが復帰しましたが、彼の居場所はありませんでした。そしてこの週末のウェストハムとのゲームでは後半の頭からスールシャールに代わって投入されましたが、いかにベストコンディションではないといえ、スールシャールの方が格段に上でした。スールシャールもこの中盤の右のポジションが結構気に入っているようで、ベッカムといえどポジション安泰とはいかないかもしれません。ただ、ここ一番でのFKなど、ベッカムの力が必要な時も間違いなくあるわけで、早くトップコンディションに戻してほしいです。ただ、今の状態では彼にポジションはないでしょう。

そしてプレミアではこれでマンUは4連勝。しかも上位陣との直接対決でことごとく勝ち点3を積み重ねてきたため、首位アーセナルとはいつの間にか勝ち点差1。一気に優勝争いの真っ只中に。一方ここ最近一気に調子を落としているリヴァプールは、一時期の首位からは完全に脱落し、アーセナルから勝ち点差5の5位。ただ、優勝争いには残ってくるでしょう。

そして、マンUがデポルティボに完勝したチャンピオンズリーグ2次リーグ第2節ですが、その他の試合についても少し。

まず1日目からですが、グループAの、こちらも贔屓のインテル。サンシーロに昨シーズンの準優勝チームレヴァークーゼンを迎えての試合は、最後までヒヤヒヤさせられる展開に。

ディ・ビアージョの2ゴールで2点を先制したものの、1点を返され、相手のオウンゴールで3-1と突き放したかと思えばロスタイムに1点を返され3-2。さらに一瞬3-3にという情報が流れましたがこれはなんと手で押し込んだものでノーゴール。なんとか3-2で逃げ切りました。

そしてグループAのもう1試合バルセロナVSニューカッスルはなんと大雨のため次の日に延期。大雨で延期というのも珍しい気がしますが、集中的に大量の雨が降ったようで、ピッチの写真を見ましたがあれではサッカーどころではないでしょう。

そして2日目に延期された試合では、ダニ、クライファート、モッタと順調にゴールを積み重ね3-1で勝利。これで予選から合わせるとチャンピオンズリーグ10連勝。

これでグループAはインテルとバルセロナが共に勝ち点6で残りの2チームが勝ち点0。完全に形勢は決まってしまいました。そしてインテルとバルセロナは2月に行われる3節と4節で立て続けに激突です。舞台もカンプ・ノウにサンシーロ。ほんとに楽しみです!

しかし、チャンピオンズリーグでは破竹の快進撃を続けるバルセロナですが、リーガ・エスパニョーラの方に目を移すと、日本時間の今朝未明に行われた18位セビージャとの試合も、カンプ・ノウにもかかわらずなんと0-3で敗戦。これでなんと順位は13位。ファン・ハール監督の解任もいよいよ現実のものとなってきました。2月のインテルとの大一番では別の監督になっている可能性も十分です。

続いてグループBではアヤックスがホームでローマに2-1の勝利。19歳にしてすでに、その才能はクライフやファン・バステンといったオランダサッカー史に残るスーパースターと並び称される、オランダの将来を背負う男“天才”ファン・デルファールト欠場をものともせず、イブラヒモビッチ、そしてアヤックスの黄金期を築き、今シーズンから古巣に帰ってきたリトマネンが共にゴールを決め、バティストゥータに1点返されたものの見事にローマを撃破。

そしてもう1試合は、今節1番のビッグゲーム、アーセナルVSバレンシア。前節のACミランVSレアル・マドリーは“頂上対決!”と書きましたが、確かに選手の名前などを見るとまさに世界選抜同士の対決ですので頂上対決と書いてしまってもいいでしょう。

しかしチームとしての完成度としてはこちらの方が完全に上。そしてアーセナルは昨シーズンのプレミアリーグとFAカップの国内2冠、バレンシアも2000年、2001年と続けてチャンピオンズリーグ準優勝を果たした後、昨シーズンはリーガ・エスパニョーラを制覇。こちらは“王者激突!”といった感じでしょうか。

そしてホームハイベリーでの大一番に、アーセナルはベストメンバーを揃えてきました。GKシーマン以下、ローレン、キャンベル、シガン、アシュリー・コールのDFラインに、中盤は中央にヴィエラとジルベルト・シルバ、右リュングベリ左ピレス、そしてFWはアンリにベルカンプ。

特に、ジルベルト・シルバは今シーズンからの加入ですが、ヴィエラを含めた前5人は、攻撃のユニットとしての完成度では欧州一。正確なショートパスをつなぐ組織的な攻めを見せ、さらに一人一人がアンリ、ベルカンプ、ヴィルトール、リュングベリ、皆個人技にモノをいわせて1人で試合を決めてしまうこともできるワールドクラスのアタッカーでもあります。

その破壊力は脅威的ですらあり、この前マンUがついにストップしたとはいえ、それまでなんとプレミアで続けていた連続試合得点記録は55試合。これは並みの記録ではありません。

一方そのアーセナルの脅威の攻撃陣を迎え撃つのは、欧州最強を誇るバレンシア守備陣。昨シーズンのリーガをリーグ最少失点である驚異の27失点(38試合)で制覇すると、今年のチャンピオンズリーグの1次リーグでも6試合中4試合を完封。

右からクーロ・トーレス、アジャラ、ペジェグリーノ、カルボーニと並ぶDFラインはほんとに堅固で、中でもアジャラとペジャグリーノの中央は、高さ、判断力とも備えまさに鉄壁。確かに2人ともベテランでスピードに不安はありますが、それを補ってあまりあるものを2人とも持っていて、リーガの名だたるストライカーたちをことごとく完封してきました。そして万が一彼等が怪我などで抜けても、スペイン代表でもイエロの後継者として期待される逸材マルチェナが控えています。

そして右サイドもスペイン代表クーロ・トーレス、そして左サイドはこの日記でも何度か登場しています“フィーゴの天敵”カルボーニ。最強です・・・。

そして昨シーズンまでは守備偏重だったバレンシアも、今シーズンはCL1次リーグで全チーム中最多得点を記録したように、攻撃陣もアイマールを中心に爆発を見せています。安定感に加え爆発力も加わったバレンシア、今や欧州を代表するチームとなりました。

そしてこの試合でも、後半残りまだ20分くらいある時間帯にアングーロが無意味な肘打ちで一発退場となり10人になった後も、危なげない守備でスコアレスドロー。アーセナル相手、しかもアウェーということを考えれば理想どおりの試合で、それを難なくやってのけてしまうバレンシア、やはり本物です。

これでグループBはアーセナルとアヤックスが勝ち点4で並びバレンシアは勝ち点2でローマは勝ち点0の最下位。アヤックスが予想以上に強いのでますます混戦模様ですが、ローマは早くも脱落ぎみ。残り3チームが最後まで熾烈な争いを繰り広げそうです。

2日目にいってまずは先ほどマンUVSデポルティボについて少し書きましたのでグループDから。もう1試合はユベントスがホームでバーゼルを4-0と一蹴。

これでマンUが勝ち点6でトップに立ち、ユーベが勝ち点4、デポルティボが勝ち点1、バーゼルが0。このグループはもともと3強と言われていましたが、デポルティボにとっては前節ユーべ相手にホームで2点を先制しながら追いつかれたのがほんとに響いています。

そしてこのグループも2月の第3節と第4節にマンUとユーベが立て続けに激突です。マンUとしてはこの直接対決の前に勝ち点を6に伸ばせたのはほんとに大きくて、少し気持ちの上で優位に立って挑めそうです。

最後にグループCでは、まずミランがアウェーでドルトムントをインザーギのゴールで0-1と撃破。ミランにとっては、昨シーズンのUEFAカップの準決勝でドルトムントにトータルスコア5-3で完敗しているだけに、リベンジマッチの一戦でしたが、アウェーで見事にリベンジを果たしました。

そしてもう1試合は、前節でミランに負けたためホームで格下相手に必勝を期していたマドリーが、なんとロコモティフ・モスクワ相手に2-2のドロー。ラウールのゴールで先制しながらなんと逆転され、ラウールのゴールでなんとか追いついての引き分け。エルゲラ以外ベストメンバーを揃えていただけに、疲れくらいしか理由は浮かびません。

しかし2次リーグに残った16チームの中でも最弱と言われていたロコモティフ・モスクワにホームで引き分けてしまったため、なんとマドリーはモスクワと勝ち点1で並びながら総得点の関係で最下位。

このグループではマドリー、ドルトムントと、ライバルに順調に連勝したミランが頭一つリードしました。ただ、マドリーもこのまま黙っているわけもなく、ドルトムントを含めた熾烈な2枠争いになりそうです。

これでチャンピオンズリーグはほぼ2ヶ月の休みに入り、次節は2月の18日と19日。しかし待たされる分試合も豪華で、カンプ・ノウでのバルセロナVSインテル、オールド・トラフォードでのマンチェスター・ユナイテッドVSユベントスと、必見の2試合が待っています。

最後に、この週末の各国リーグの結果について少し。この前の日記でセリエA前半戦一番の大一番と書きましたユベントスVSラツィオは、ネドベドのゴールでホームのユベントスが先制したものの、フィオーレの2ゴールでラツィオの勝利。ラツィオは最近ユーべとの相性は確かによかったんですが、それでもアウェーでユーベに勝ってしまいました。これでラツィオは今シーズンアウェー7戦全勝。

ミラン、インテルも順当に勝ったため、勝ち点差1ずつ離れての1位ミラン、2位ラツィオ、3位インテルという並びは変わりません。しかし、ユーベは前節ブレシアにまさかの初黒星を喫した後、ラツィオにも敗れこれで2連敗。首位ミランとは一気に勝ち点差6がついてしまいました。

しかし、各国リーグの順位表を見ていて一番目を引くのは、なんといってもリーガのレアル・ソシエダ。今節も、難敵マジョルカにエトーのゴールで先制されながらも、きっちり逆転し2-1で勝利を収め、いまだ無敗。プレミアでもセリエAでもブンデスリーガでも無敗チームはいないわけで、欧州4大リーグで唯一の無敗チームです。いつまでこの快進撃は続くのでしょうか・・・。

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