先日のハットトリックに続いて、やってくれました稲本!いつかは決めると思いますので、早いか遅いかだけだと思ってましたが、早くもプレミアリーグでの日本人初ゴールをゲット。
この日も、ボランチではなくトップ下での先発でした。ハットトリックを決めて首脳陣に対しても、サポーターに対しても一気に信頼を勝ち取りましたが、彼の得点感覚に期待してのトップ下での起用でした。前半はトッテナムに押されながら、ワンタッチでボールをはたくなど、ゴールを狙うというよりは見方の攻撃の起点になるというような動きでした。
試合自体は、これまで無敗のトッテナムが今日も絶好調で、フルアムは押されぎみ、0-2でハーフタイムを迎えました。シェリンガムの活躍は嬉しい限りです。
しかし後半、マルブランクを投入してから、少しずつですが流れが変わり始めました。それでも決定的なチャンスとまではいかず、時間だけが過ぎていく中、ついに稲本の右足が炸裂しました!それにしても、ミドルシュートの精度はほんとに上がってきました。しかし精度以前に、少しでもゴールが見えたら距離が多少あっても打つという姿勢が何よりも評価できます。打たないことには何も起こりません。そして、シュートも浮かなくなってきました。
幸いにも、プレミアリーグにはお手本とすべきミドルシュートのスペシャリストたちがいます。その中の1人は自分も大好きなご存知マンチェスターUのスコールズ。プレースタイルという点からも、彼は稲本にとって最高のお手本ではないでしょうか。もちろんアーセナル時代にヴィエラから学んだことは数え切れないくらいあったでしょうが、プレースタイルからいって、ヴィエラよりはスコールズが今の稲本には理想だと思います。
FW陣の後ろで縦横無尽に走り回りどこにでも顔を出したかと思えば、相手DFのクリアミスを殺人的なミドルシュートで叩き込む。そうかと思えば味方のピンチにはしっかりと帰って最後の最後でボールを弾き出す。こういうスコールズのプレーはまさに稲本の理想とするところでしょう。
そして、この試合で大きかったのが、彼のゴールから試合の流れががらっと変わって最終的に逆転までもっていったこと。いくらゴールを決めても試合に負けてしまったらその価値は一気に下がってしまいます。そういう意味で最高のゴールでした。
それにしても、後半30分過ぎからのフルアムの猛攻はほんとに迫力がありました。同点に追いついただけでも上出来でしたが、ロスタイムもどんどん減っていってあぁこれまでかと思ったロスタイム5分直前の94分53秒でした。レグヴァンスキが執念で叩き込みました。
この勝利は、稲本にとってもフルアムにとってもほんとに大きい勝利。昨年はまったく歯が立たなかったトッテナムに対して、2点差をひっくり返しての逆転勝ち。チームに力がついてきている証です。昨年以上の順位にいくことは間違いないのではないでしょうか。