No.2 愛するチームマンチェスター・ユナイテッド

2回目の今回は、お気に入りのチームについて。

お気に入りのチームとは、プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド。1998-1999シーズンのチャンピオンズリーグ決勝は、わずか数年前の出来事にしてすでに伝説化していますが、このチームには何かがある・・・。今よりも当時のメンバーの方が好きでした。

ゴールマウスには守護神シュマイケル。凡ミスもよくしましたが、一度乗り出すと神がかり的セーブで何度もピンチを救ってくれました。

ディフェンス中央には、強面スタム。まず顔が怖い・・・。この顔だけで、相手FWに対して数%くらい優位にたっているような気が・・・。高さと強さという点ではまさに鉄壁。見ていてやられる気がしません。弱点と言えばスピードですが、並みのFW相手なら何の遜色もありません。ユベントス時代のインザーギには見事にスピードでやられていました。でもスタム一人いるだけで安心感が違いました。

そしてその前、中盤の底には闘将ロイ・キーン。彼こそほんとにキャプテンの中のキャプテン。中盤の底を支える闘将としては、ブラジルのドゥンガ、フランスのデシャンなど、素晴らしい選手は他にもいますが、チームの中での存在感ではキーンが一番でしょう。

中盤の底から自陣ゴール前まで危ないところをことごとく救ったかと思えば、相手陣に入って殺人的なロングシュートを決めます。しかも相手ディフェンスを下げるために、とりあえず打つといったタイプのロングシュートではなくて、どのシュートも入ってもおかしくないレベルのシュートです。まず枠を外すなどということはありません。しかも地を這う低さです。松山くん(キャプテン翼)のイーグルショットを現実に打てるのは彼しかいないはず。

そして、プレーのレベルももちろん世界トップレベルですが、何より彼の存在感を示すのが、チームメイトへの叱責。ミスをした選手は彼から視線をそらします・・・。しかし、たった一言の檄でゲームの流れを変えられるのもまた彼です。

何年か前のチャンピオンズリーグの解説で触れられていた逸話を一つ。CK。普通はこのイニシャルで服などが売られているとカルバン・クラインを指しますが、オールド・トラフォード(マンチェスター・ユナイテッドのホームスタジアム。いつかここで試合が見てみたい・・・。)周辺の店でCKのイニシャルで何かが売られていればキャプテン・キーンを指すと。泣かせる話です・・・。

そして、これまた世界トップレベルの両サイドアタック。右は今さら説明の必要もないベッカム。あのクロスの精度の10分の1でもいいから日本代表に分けて欲しいです・・・。かつてバティストゥータが、彼と自分が組めばゴールを量産できるだろうと語っていたことがありましたが、確かにあのクロスボールと彼のヘディングがあればDFなどいてもいなくても大して変らないでしょう。

右サイドのドリブル突破ならフィーゴの方が上でしょうが、センタリングの精度では文句なく世界一。フリーキックも上に同じ。でも、フリーキックでは実は彼を凌ぐのではと思わせる選手がいますが、それはまた好きな選手紹介の機会に。

そして左サイドには、これまた同じくらいの破壊力を誇るギグス。彼のドリブルはほんとに見ていて気持ちがいいです。フィーゴが技で抜くなら、彼のは勢いで抜くというもの。決して技がないという意味ではなく、一瞬で相手を置き去りにするそのスピードにこそ真髄があります。そして、横に抜くのではなく必ずといっていいほど縦に抜きます。そのため、一度抜かれたDFはまず追いつけません。

そしてここ一番では得点も決めてくれます。優勝した1998-1999シーズンのチャンピオンズリーグ、準決勝対ユベントス第1戦の終了間際のゴールは今でも鮮烈に覚えています。

これにさらにスコールズという、これほどチームのためになる選手はいないという素晴らしいMFもいます。

そして、今のファン・ニステルローイももちろん最高のFWですが、当時のツートップはヨークにコール。「Twin Terrors(双子の恐怖)」と呼ばれた彼らですが、ほんとにコンビネーションは抜群でした。アイコンタクトとよく言いますが、それすら必要ないレベルでした。ベッカムが完璧なタイミングで上げたパーフェクトなクロスボールに対して、これまた完璧なタイミングと完璧なポジショニングで彼ら二人がゴール前に怒濤の勢いで雪崩れ込んでいきます。「雪崩れ込む」まさにこの言葉がぴったりの迫力でした。

そして、控えにはシェリンガムとスールシャール。まさに最強です。これで負けるほうがおかしいです。先日の日本代表のノルウェー戦で日本DF陣は子供のようにあしらわれていましたが、そう驚くことでもありません。世界トップレベルのDFでもスールシャールを止めるのは容易なことではありません、それほどのFWです。後半30分過ぎから登場しても、当たり前のように得点を取ってきます。決定力という意味では世界でもほんとにトップレベルです。宮本のかなう相手ではありません。

こんな最強だったマンチェスターユナイテッドですが、シュマイケルが去り、スタムが去り、Twin Terrorsも消えました。しかし、バルデズは補ってあまりあるGKですし、ファン・ニステルローイというこれまた世界トップレベルのFWを獲得し、キーン、ベッカム、ギグスの夢の中盤もいまだに健在。まだまだ楽しい夢を見させてくれることでしょう。


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