No.19 盛者必衰の理

王者フランス敗退。1998年W杯、欧州選手権、コンフェデレーション杯、すべてを制し、FIFAランキングも堂々1位、英国ブックメーカーの賭け率も1位、あらゆる面で王者の風格を漂わせていたフランス。
組み合わせ抽選でも、比較的楽な組に入り1位突破は間違いないと言われていました。

W杯連覇が難しい理由として真剣勝負の欠如がよく挙げられます。今大会のドイツのように、予選を死に物狂いで突破してきたチームは、それとともにチーム力を上げてくるのに対し、何もしなくても本大会出場、このハンデは言われている以上に大きいのかもしれません。
しかも、今回のフランスはあまりにも勝ち過ぎました。どこかで痛い目にあっていれば危機感も少しは生まれたでしょう。ようやく大会直前になって親善試合で苦戦を強いられ始めましたが、それも、親善試合は親善試合、本気でやれば負けるはずはないと思っていたのでしょうか。

ピレスを欠き、ジダンを欠いたこの期に及んでも、まだまだ余裕たっぷりに見えました。開幕戦の時に書いたように、ピレス、ジダンを欠いてもメンバー的には申し分ありません。他のどのチームと比べても見劣りはしません。
しかし、大会が始まってみてわかったように、選手はみんな疲れきっていました。各国リーグで終盤まで優勝を争い、全力を尽くしきった後に、さらにまた1ヶ月の真剣勝負。この難しさは日本の小野を見ていてもよくわかります。

それにしても、3試合で無得点。前回優勝国の無得点敗退は史上初という不名誉な記録まで作っての帰国です。日本が得点力不足、得点力不足とずっと言われてきましたが、これだけのメンバーが揃っても入らない時は入りません。ポストに何本阻まれたかわかりませんが・・・。

ジダンにはあと3年プレーして引退という宣言を撤回してもらって、ぜひ2006年ドイツワールドカップで雪辱を果たしてもらいたいものです。

A組もう1チームの脱落者はウルグアイ。こちらも10回目の出場にして初めての予選リーグ敗退ということに。後半信じられない執念を見せましたが、レコバの魔法の左足は最後まで封印されたままでした。

この優勝経験国2ヶ国を差し置いて勝ち残ったのはデンマークにセネガル。セネガルは開幕戦の勢いで一気に駆け上がった感じですが、上にいったら少し苦しいか・・・。デンマークは強いです。勝つしかないフランスに2-0で完勝。しかも狙い通りの試合運び。デンマークやスウェーデン、相手にするにはほんとに嫌なチームです。トマソンもACミラン移籍に花を添える大活躍。そこそこ進むかもしれません。

E組はアズーリと並んで新たなお気に入りとなった魂のチームアイルランドがサウジに完勝で見事予選突破。ロイ・キーンがずば抜けていただけで、他の選手達もみんな素晴らしい魂の持ち主でした。エースロビー・キーンも調子を上げており、堅守も健在。決勝トーナメントでもぜひ勝ち進んでほしいです。

もう1試合の大一番はイエローカード乱発のガチンコ勝負。1人少なくなり引き分け狙いに変えながら、結果的には2-0で勝つあたり、さすがは常連国ドイツ。カメルーンは相手が悪かったとしかいいようがありません。カメルーンのシェファー監督の「反省すべきことは、初戦のアイルランド戦の前にもっと早く日本に来ていれば良かった」とのコメントが掲載されていました。おいおい・・・。

明日は死のF組最終戦。がんばれスコールズ!

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