まず始めにちょっとした話をひとつ。
英国のブックメーカーはサウジの大敗を受けて、サウジの賭け率を“論外”を意味する5001倍に変更。さすが本場と思いましたがよく考えてみれば5001倍ということは、100円が50万。totoで1億が出ていることを思えば、サウジが優勝するよりはtotoで全試合当てるほうがはるかに確率は高いと思いますので、この5001倍は低すぎるようにも思います。
ちなみに、試合が始まり出して変ってるかもしれませんが、日本は確か81倍だったはず。微妙なところ・・・。
そして、いよいよお気に入りのイタリア登場。バッジョのいないアズーリにはいまいち肩入れできないと書きましたが、その通りなんですが、今までずっと応援してきたからか、お気に入りなことに変りはありません。
3-4-1-2でトッティをトップ下に置き、ビエリと誰を組ませるかだと思っていましたが、蓋を開けてみたら、4-4-2。キーパーを合わせて9人で守り攻めは2人。
おいおいまたいつものつまらない試合かよと思っていたら、エクアドルレベルでは2人で十分でした。
バティストゥータと並び今最も迫力を感じさせるストライカーの一人ヴィエリ。そこにピンポイントでパスを出せるトッティ。この二人だけで点を取れるところがさすがです。ヴィエリの決定力はほんとに文句なしです。
それにしても、デルピエロとインザーギ、さらにモンテッラにデルヴェッキオがベンチ。フランスやアルゼンチンと並びここも反則です。デルピエロとインザーギの2人とも他のチームなら文句なくスタメン。デルヴェッキオでさえ日本なら文句なくエース。分けてください・・・。
そして、イタリアといえばカテナチオ。ほんとに鉄壁です。左にマルディーニ、右にパヌッチ、そして中央には176センチにも関わらず空中戦で無敵を誇るカンナヴァーロ、そして今や世界ナンバー1DFであろうカテナチオの継承者ネスタ。このDFラインは文句なしに世界最強です。
特にネスタ、彼が1対1で抜かれたのを見た記憶がありません。高さ、強さ、読み、1対1、ラインコントロール、すべて完璧。そしてDFの中でプレーが絵になる数少ない選手の一人でもあります。パワーで相手を吹き飛ばしてボールを奪うのではなく、優雅に奪います。
そして、その後ろにはまださらにブッフォンがいます。トルドがベンチにいること自体が反則。トルドはイタリア以外ならどこに行っても不動の守護神。ほんとに選手余ってます。
唯一の不安は中盤。一流ではありますが、後ろ5人と前2人に比べればかなりランクが落ちます。
初めてカテナチオに目を奪われたのは、当時のACミラン。左からマルディーニ、バレージ、コスタクルタ、パヌッチ。両サイドが今と変らないのが驚きですが、バレージを見て初めて守備でも楽しめるというのを知りました。バレージのラインコントロールはまさに芸術でした。
余談ですが、その時のラインの前のボランチには今やフランスの守備の要デサイー。彼もバレージから守りの真髄を教わったことでしょう。
当時、このACミランがサンパウロとトヨタカップを戦った時、バレージの試合前のコメントが印象的でした。「今日、点を取ることはできないかもしれないが、点を取られることはあり得ない。」
しかし、この言葉はほんとにイタリアをよく表していて、いつも0点に抑えながら、自分たちも0点でPK戦で敗退・・・。
ちなみにこの日のミランは3-2で敗戦。あのコメントはなんだったんでしょうか(笑)。
これも余談ですが、この時のツートップはマッサーロとパパン。懐かしい!
そんなわけで、バレージは守備を見る楽しみを教えてくれた選手でした。そのバレージからカテナチオを継承した男ネスタ。今のラインの方が当時より安定感もあり安心して見ていられます。エクアドルに点を入れられなかったのは当たり前のことですが、世界レベルのストライカー相手でも簡単にはやられないでしょう。
そして、攻撃も点が入りそうな気配が漂う今大会。今回はいいところまでいくのではないでしょうか。