昨年のクリスマスイブには、『三十四丁目の奇蹟』をUPしました。
そして、今年のクリスマスイブにはこれをUPするつもりでした。
でも、クリスマスまで待っている場合ではなくなったので、急遽UPすることに。
フランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生!』です。
きっかけは、昨日の夕刊の記事でした。『自殺 7年連続3万人超』の見出し。過去最悪の前年よりは減ったものの、去年1年間に自殺した方はなんと32525人。
こうしてブログを書いている間にも、一日平均90人弱の方が自ら命を絶っているかと思うと、胸が張り裂けそうになります。
そこでこの映画、『素晴らしき哉、人生!』。
クリスマスイブの夜、絶望し自殺を図ろうとする男のもとに、見習い天使が派遣されます。
そして、「自分なんか生まれて来なければよかった」という男に、見習い天使はその男がいない世界を見せます。
弟は命を失い、薬屋のおじさんは悲惨な晩年を過ごし、恋人は愛のない寂しい人生を送り、街は殺伐としたものになってしまう。
もし自分が自殺してしまったら、世界は今よりもずっと悪くなるということ。
この映画を“絵空事”だと思う方もいらっしゃるでしょう。
でも、こんな時代だからこそ、フランク・キャプラが一貫して訴え続けた善意が、良心が、新たな一歩を踏み出す力を与えてくれることを願ってやみません。
「あーもう死にたい!」と口に出すことはあっても、実際にそうするのは本当にどうしようもないからで、自分なんかがとやかく言えることでないのはもちろんです。
自分だっていつの日か本当に追いつめられて、ひょっとしたら思いとどまれないかもしれません。
それでも、この映画のことがちらっとは頭をかすめると思います。
そして、思いとどまる力になってくれるかもしれません。
そんなことが起きても不思議ではない力が、この映画にはあると思います。
32525人の方全てがこの映画を観てくれていたら、100人とは言わないまでも、ひょっとしたら10人くらいは思いとどまってくれたような気がします。
たとえ1人でも、それはとてつもないことです。
たった1本の映画が、人の命を救うんですから。
今こうして書いている間にも、誰かが自ら命を絶っているかもしれません。
日本中の、そして世界中の全ての人がこの映画を観て、新たな一歩を踏み出せますように…。
素晴らしき哉、人生! デジタル・リマスター版 [4K ULTRA HD + Blu-ray]
[原題]It’s a Wonderful Life
1946/アメリカ/130分
[監督]フランク・キャプラ
[音楽]ディミトリ・ティオムキン
[出演]ジェームズ・スチュアート/ドナ・リード/ライオネル・バリモア
今日はクリスマスイブ。ということで、クリスマス映画の超ド定番から。 1994年にリメイクされていますが、例によってリメイクがオリジナルを超えることはないらしく、イメージを壊さないためにリメイク版の方は観ていません。 メイシー百貨[…]