ジョニー・トー第20弾。
今回はジョニー・トーは製作。監督は、これがデビュー作で、次に『ロンゲストナイト』を撮ることになるパトリック・ヤウ。
最近、『ベルベット・レイン』のウォン・ジンポー監督が“第2のウォン・カーウァイ”なんて言われているみたいですが、この『パラダイス!』の時も、“ポスト・ウォン・カーウァイ”なんて言われていたみたいです。
でも、『ベルベット・レイン』よりはこっちのがずっとウォン・カーウァイに近い。
全然知らずに観て、オープニングにクレジットが出ず、観終わった後に「監督:ウォン・カーウァイ」と出ても、何の違和感も感じないと思います。
それほどにスタイリッシュな映像と音楽。
中でも、『欲望の翼』のラストで流れた「Jungle Drums」が使われているのがポイントですね。
あと、全篇に渡って流れるチャチャチャの旋律。
この映画、金城武のファンにはたまらないでしょうね。
前半はひたすら寡黙。
それが、カルメン・リーと出会ってから、どんどん表情が豊かになっていって、前半とのギャップが抜群。
超高級ホテルの支配人や、指を切り落としてしまったヤクザの男と心を通わせるシーンなんかも素晴らしい。
カルメン・リーも、登場シーンからラストまで、どんどん可愛くなっていくのがいい。
二人でふざけて髪を切り合うところや、路面電車の線路の上を歩く二人の後ろ姿なんかもいい感じです。
「私を好きになった?
私も少しだけ」
「少しね」
[原題]兩個只能活一個
1997/香港/89分
[監督]パトリック・ヤウ
[製作]ジョニー・トー/ワイ・カーファイ
[脚本]ワイ・カーファイ
[出演]金城武/カーメン・リー/ビュン・ウーニン/ラム・シュー
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