『ヴェラクルス』(ロバート・アルドリッチ)

ヴェラクルス

今回は、『ロンゲスト・ヤード』に続いて2本目のロバート・アルドリッチ監督作品。

南北戦争末期、メキシコにやってきた南軍の兵士ゲイリー・クーパーは、無法者バート・ランカスターと出会う…。

二人の出会いのシーンから、何度かランカスターが使う「あん畜生」という台詞。
この言葉に二人の関係が見事に表現されています。
もう少しわかりやすく言うと、“おぬしやるな”といった感じです。

ヴェラクルス

数百人に囲まれても機転の利いた知恵でピンチを脱するクーパー。

背面撃ちの早業で腕を見せつけるランカスター。

腕を見込まれた二人は、革命軍と戦う皇帝に雇われ、ヴェラクルスまで伯爵夫人の護衛を任されることに。

自らも銃の名手である皇帝が、二人の腕を試すため腕比べをするシーンも見せ場です。

しかし実は馬車には…、というわけで、襲いかかる革命軍、守る皇帝軍。
二人ももちろん参戦しながらのド迫力の銃撃戦。

ランカスターが駆る馬車の凄まじいスピード感と、土煙を巻き上げ疾走する多数の騎馬、スピード感が何よりも素晴らしい。

皇帝軍の要塞での両軍の大激戦の後、いよいよ両雄が雌雄を決する時が。

今までに書いてきた中で一番の決闘といえば、なんといっても『続・夕陽のガンマン』の三角決闘。

でもあれは3人でしたので、一対一では『夕陽のガンマン』のリー・ヴァン・クリーフ対ジャン・マリア・ボロンテでしょうか。

セルジオ・レオーネの必殺の“じらし”はないものの、緊迫感ではこちらも負けていません。

ここまででいかにお互いの腕が凄いかは十分見せつけられているので、期待も高まるというものです。

ゲイリー・クーパー、バート・ランカスター、いざ!

全編に渡って一番印象的なのは、バート・ランカスターのニタッとした不敵な笑い。
天下のゲイリー・クーパーも今回ばかりは喰われていました。

難しいことは何一つなく、94分を一気に見せるロバート・アルドリッチ。
超一級のエンターテイメント。

 

ヴェラクルス [Blu-ray]

[原題]Vera Cruz
1954/アメリカ/94分
[監督]ロバート・アルドリッチ
[出演]ゲイリー・クーパー/バート・ランカスター/シーザー・ロメロ/ドニーズ・ダルセル/アーネスト・ボーグナイン/チャールズ・ブロンソン/ジャック・イーラム

→予告編 →他の映画の感想も読む

関連記事

一つ前のエントリーのジェネオン・ユニバーサルはほとんどが再発ばかりでしたが、20世紀フォックスの方はおぉっというタイトルがいくつか。中でも、なんといってもこれでしょう。劇中の兄弟たちを演じている役者たちも実際に兄弟ということばかりが話題にな[…]