久々のカウリスマキ、第8弾は、1993年に行われた、レニングラード・カウボーイズと旧ソ連赤軍の退役軍人からなるアレクサンドロ・レッド・アーミー・アンサンブルが行った、歴史的コンサートを収めたドキュメンタリー映画です。
戦争の歴史もあるフィンランドとロシア。
当時のフィンランドのメディアが「和解の象徴」と表現したというのも頷けます。
歴史的な調印式なのにレニングラード・カウボーイズが例の髪型なのが可笑しく、思わずニヤリ。
ですが、カウリスマキらしさが感じられるのもここまでで、後はさすがのカウリスマキも介入の余地がなく、コンサートの主役たちの独壇場。
オープニングナンバーは、ロシアの圧制に立ち向かった抵抗歌としてフィンランドの準国歌的扱いになっているというシベリウスの「フィンランディア」。
演奏するのは総勢160人を越す旧ソ連の退役軍人たち。
これだけでいかにこのコンサートが歴史的なものかが伝わってきます。
その後は、西側のポピュラー音楽、ロシアの民謡、民族衣装、そしてコサックダンス、なんでもござれの展開。
「ボルガの舟唄」「カリンカ」「哀愁のポーリュシュカ・ポーレ」などが流れたかと思えば、ボブ・ディランの「ノッキン・オン・ヘヴンズドア」、さらには「ハッピー・トゥギャザー」から「悲しき天使」まで。
コンサート映像なので、いろいろ書くよりも、ぜひご自分でこのパワーに圧倒されてください!
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[原題]Total Balalaika Show1994/フィンランド/57分
[監督]アキ・カウリスマキ
[撮影]ヘイキ・オルタモ/ティモ・サルミネン
[出演]レニングラード・カウボーイズ/アレクサンドロ・レッド・アーミー・アンサンブル