『ダーク・スター』(ジョン・カーペンター)

ダーク・スター

積ん見状態が続いている間にまさかのBlu-ray化が決まってしまいましたが、これを機にようやく観ました。

期待以上に面白い!

ダークスター号が登場した瞬間から低予算なのは丸わかりで、今観るとチープな点も色々ありますが、その分アイデアと内容で勝負。

低予算で派手なアクションができない代わりに、宇宙での普段の生活をじっくり描いているのが面白い。

マスコットとして連れ込んだエイリアン相手の船内のあちこちでの悪戦苦闘、このエイリアンの形態が大きなビーチボールというのがまた可笑しい。

空き瓶や空き缶を色々組み合わせた手製の打楽器もいいですねぇ。
見た目は簡単なものですが、なかなかの音楽を奏で、長い時間をかけて調整したんだろうなぁというのが伝わってきます。

一言で言えば、時間は腐るほどあって、とにかく彼らは暇なんです(笑)
その暇さがちゃんと伝わってくるディテールが素晴らしい。

こういう部分はお金をかけなくてもできる部分で、その部分で勝負したカーペンター&ダン・オバノンのアイデアの勝利。

アイデアといえば、冷凍保存されて脳だけ生きている船長というのも面白いですねぇ。
爆弾爆発まで10分くらいしかなくて部下が慌てて指示を仰ぎに来てるのに、冷凍されてる間に物忘れが酷くなってな、ちょっと考える時間をくれって悠長なことを言ってたり。

それでも、ひたすら地味かというとそうでもなくて、先ほどのエイリアン相手の悪戦苦闘からの流れでの、エレベーターシャフトでのハラハラドキドキの宙吊りアクションもちゃんとある。
これも派手なアクションでは全然なくて、船内で一人の乗組員が動き回っているだけですが、ちゃんとサスペンスを生んでいるところがさすがカーペンター。

そうこうしているうちに、クライマックスはコンピューター相手の現象論問答というまさかの高尚な展開に。

このやりとりも凄く面白いですが、こういう方向に持ってくんだぁと思ってたら、さすがはカーペンター、高尚なまま終わるはずがなかった。
最後の最後に、まさかの大ネタがきた!

ちゃんと途中に話としては出てきて、でも、宇宙が舞台だしさすがにないよなぁ、でもひょっとしてカーペンターならやってくれるか?なんて思っていたところに、そうくるのか!というまさかのサーフィンに爆笑。
いやー、最後まで完璧だわ(笑)

というわけで、最初から最後まで凄く楽しめましたが、いくら豪華仕様での発売とはいえ、5000円も出してBlu-ray買うような映画でもない気がする(爆)

 

ダーク・スター 【HDニューマスター版】スペシャル・エディション初回生産限定版 [Blu-ray]

[原題]Dark Star
1974/アメリカ/83分
[監督]ジョン・カーペンター
[脚本]ジョン・カーペンター/ダン・オバノン
[音楽]ジョン・カーペンター
[出演]ブライアン・ナレル/ドレ・パヒッチ/カル・カニホルム/ダン・オバノン/ジョー・サンダース/マイルス・ワトキンス

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