Twitterの方でもずいぶんと話題になっているBRUTUSの最新号。
「Life is a Movie 24人の監督、映画にまつわる人生の話。」と題して、大々的な映画特集です。
他の23人も錚々たる顔ぶれですが、当ブログ的にはやはりトーさんでしょう!
各監督ごとに1本映画もピックアップされていますが、トーさんは、代表作『ザ・ミッション/非情の掟』。
他の錚々たる顔ぶれに混じってトーさんが選ばれているだけでもおおっ!となりましたが、今回は、さらに内容も素晴らしい。
執筆されているのは、トーさんの話題ではお馴染みのくれい響氏。
文中に登場する映画が、最初の方でいきなり『過ぎゆく時の中で』『ワンダーガールズ 東方三侠』『チャウ・シンチーの熱血弁護士』。
トーさんのことについて書かれた記事では、毎回決まったように「『ザ・ミッション/非情の掟』以降」という括りがされますが、まずは、この出だしからして素晴らしい。
そうです、初期作品にだって面白い映画はいくらでもあります。
そして、Twitterのbotの方でもトーさんの「毎年6~7本の商業映画を撮ってきたが、あるとき突然、ひとりの監督として自分の映画を撮りたくなったんだ。」という言葉を紹介していますが、次のくだりが素晴らしすぎます。
40歳を迎えるトーは自問自答していた。黒澤明、サム・ペキンパー、そしてジャン=ピエール・メルヴィルに憧れながらも、残りの人生も年間数本の商業作品を撮り続けるのか、と。
そして、ターニングポイントとして、きちんと『無味神探』を挙げているところがさすがですね。
年代順に映画を観直すとわかりますが、今のトーさんの原点は、『ザ・ミッション/非情の掟』ではなく、間違いなくこの『無味神探』。
盟友ラウ・チンワンとの初コンビ作品でもありますね。(これより遥か前にテレビでは『難民營風暴』で組んでいますが)
そして、『ザ・ミッション/非情の掟』についての興味深いエピソードも。
例の映画史に残るジャスコでの銃撃戦、5人はトーさんから銃を構えるように指示されただけで、フォーメーションなどは役者たちの意見によるものが多かったとのこと。
あの“完璧な構図”は、トーさんの頭に事前にあったものではないんですね。
監督ごとのkeywordsのところで『碧水寒山奪命金』がちゃんと紹介されているなど、たった2ページですが、細かいところまでいちいち素晴らしいです。
他にも触れたいことはいくつもありますが、ここで全部書いてしまってもあれですので、ぜひ残りは雑誌で。
全トーさんファン必読。
この前BRUTUS最新号にジョニー・トー監督が登場!というエントリーをUPしましたが、その中で、 40歳を迎えるトーは自問自答していた。黒澤明、サム・ペキンパー、そしてジャン=ピエール・メルヴィルに憧れながらも、残りの人生も年[…]
ジョニー・トー(杜琪峯 : Johnnie To、1955年4月22日 - )は、香港の映画監督、プロデューサー。 香港電影金像奨で3度の監督賞、金馬奨で3度の監督賞を受賞している。 現在までに香港電影金像奨の監督賞に18回、金馬奨の[…]