『ショーシャンクの空に』(フランク・ダラボン)

ショーシャンクの空に

スティーヴン・キングの『刑務所のリタ・ヘイワース』の映画化。
『スタンド・バイ・ミー』にしろこの映画にしろ、彼の“非ホラー小説”の映画化には外れがありません。

無実の罪でショーシャンク刑務所に入れられた主人公。
自らの力により、刑務所の仲間たち、そして自分自身にいろんなものを取り戻していった先に待っていたものは…。

劇場で観た時にはそれほど混んでいませんでしたし、興行的にも成功しなかったみたいですが、レンタルによってここまで有名になった作品も珍しいでしょう。
それでも、皆が皆絶賛するだけのことはあり、何度観てもまた観たくなる作品。

自分にとって、素晴らしい映画の基準は何回リピート鑑賞に耐えられるかだと勝手に決めつけていますが、この映画も、劇場、TV放映、レンタルビデオ、そしてDVD購入と、ほんとに何度も何度も観ています。
これから先もまた繰り返し観るでしょう。

そして、ほんとに名場面のオンパレード。

まずはやっぱり、屋上でのビールのシーンでしょう。
仲間がみんなビールを飲む中、ひとり微笑んでそれを見つめるアンディ。
ティム・ロビンスの表情が最高。このシーンはほんとに極上。

ショーシャンクの空に ティム・ロビンス

『フィガロの結婚』もやっぱり外せないでしょう。
スピーカーの方を見上げる運動場を埋め尽くした囚人たち。駆けつけた所長たちを無視し、なおも音量を上げるアンディ…。

ショーシャンクの空に フィガロの結婚

“BROOKS WAS HERE”のブルックスもたまりません。

挙げていったらきりがないのでこれぐらいにしますが、とどめはなんといっても青すぎる太平洋。

そして、この映画をここまでの作品にしているのは、なんといってもモーガン・フリーマンの圧倒的な存在感。
彼の語りによるナレーションの、この映画に対する貢献度は絶大。

ショーシャンクの空に モーガン・フリーマン

モーガン・フリーマンには印象的なシーンはいくつもありましたが、3度目の仮釈放委員会のシーンは渋すぎ!惚れます…。
木の下から掘り出した手紙を読む時、何度も周囲を気にするシーンの可笑しさ。
あとは、納税時期に刑務所の職員たちがアンディの前に行列を作るときに、“事務員”として頑張っている彼も大好きです。

それにしても、これが監督デビュー作なんて、フランク・ダラボン凄すぎ!
感動させよう感動させようと見え見えな映画とは違い、じわりじわりときます。泣ける感動とはまた一味違う爽やかな感動。
しかも、見終わった後にこれくらい晴れやかな気分になれる映画もそうはありません。
ラストシーンは傑作中の傑作。

無駄が一切なく、脚本、撮影、役者、音楽と、パーフェクトな1本ですが、唯一の疑問は、どうやってあんなに綺麗にポスター貼ったの?
これは、抱いてはいけない疑問でしょうか(笑)

間違いなく人間ドラマの傑作に入る1本、すべての方にお薦めです!

 

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[原題]The Shawshank Redemption
1994/アメリカ/143分
[監督]フランク・ダラボン
[原作]スティーヴン・キング
[出演]ティム・ロビンス/モーガン・フリーマン/ウィリアム・サドラー/ボブ・ガントン

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