別に一歩引いているわけでもないチョウ・ユンファを、2時間以上に渡って圧倒し続けるチアン・ウェンの存在感がまずは圧巻。
これは別に自分が監督もしているからだけではありません。
『三国志英傑伝 関羽』でもドニー・イェンを完全に脇に追いやっただけのことはあります。
かっこいいシーンもあるエンターテイメント映画であり、また、実はかなり政治的な風刺の効いた映画でもありながら(それでいて歴代No.1ヒット)、基本的にはずっとコメディのノリなところがいい。
だからこそ、急に切なさに振れるラスト数分がより効いてきます。
問題は、いかにもノワールのような邦題とポスター。
いわゆるコメディ映画ではないものの、ノリは完全にコメディ。
最初の方にちゃんと“コメディ宣言”がありますが。
久しぶりにチョウ・ユンファのコメディ役者としての素晴らしさも堪能できます。
“リピート”のシーンは爆笑。
[原題]讓子彈飛
2010/中国/132分
[監督]チアン・ウェン
[音楽]久石譲
[出演]チョウ・ユンファ/グォ・ヨウ/チアン・ウェン/カリーナ・ラウ/チョウ・ユン/チェン・クン/チアン・ウー/フー・ジュン
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