『ニュー・シネマ・パラダイス』(ジュゼッペ・トルナトーレ)

ニュー・シネマ・パラダイス

数ある大好きな映画の中、1本挙げろと言われれば迷うことなくこれを挙げるんじゃないかと思います。
それくらい、何度となく繰り返し観た大好きな作品です。

シチリア島の映画少年トトと映画技師アルフレード、映画を愛する多くの人々、彼らの映画への想いが溢れる本当に愛すべき作品。

文句なしに可愛い子役と、これまた味があり過ぎるおじさん。この二人のやりとりはほんとに最高。

ニュー・シネマ・パラダイス トト

素敵なシーンは山ほどありますが、試験のシーンが大好き。
なぜか小学校の卒業試験なのに受験しているアルフレード。しかし、まったく答えがわからず、斜め前に座っているトトや隣に座っている子供のをカンニングしようとするものの、あっさり隠され、トトに助けてくれと懇願。
最初は断るトトも、仕事を教えてくれるならという条件で答案用紙を丸めて投げてあげます。
このシーンはほんとに大好き。

ニュー・シネマ・パラダイス アルフレード

さらに、アルフレードがトトに聞かせてあげる王女と兵士のお伽話も素敵。
そして、お伽話のように、毎晩毎晩家の外に立ち続けるトト。

映画好きにとってたまらないのは、入りきれなかった観客のために、家の壁に映画を映して広場にいる人にも観れるようにしてあげるシーン。このシーンはほんとに絶品!
広場に降りてその映像を眺めるトトの表情がまた最高です。

30年ぶりにトトが村に帰ってきてからはもうやばいです。
家に帰って来て部屋の壁に貼ってある昔の写真を見るシーン、映画館が取壊されるシーン、昔と変わらず「オレの広場だ」と言っている人。

そして、すべてはここに集約されるためにあったとも言えるかの有名なラスト。
流れ落ちた涙の量でも他のどの映画にも負けません。ボロボロに泣くとはまさにこのこと。何度観てもやられます…。

極めつけは、全編に渡って繰り返し流れるエンニオ・モリコーネの音楽。
映像がなくても音楽だけでも十分に泣けてきます。

役者、映像、音楽、ユーモア、そして何より映画に対する溢れんばかりの愛情。
すべてが詰まっていて、個人的にはパーフェクトな作品。これからも死ぬまで繰り返し観続けることでしょう。

2013.4.20 「新・午前十時の映画祭」で鑑賞
やっぱりこの映画と『カイロの紫のバラ』だけは別格。今回もボロ泣き…。

『駅馬車』の時にインディアンの真似をする子供たち、2階席から下に向かって唾を吐く男、いつも寝ている男、台詞を覚えてしまっていて先に喋ってしまう男、いつの間にか恋人同士になっている男女の客。一度でいいから、この映画館でこの客たちと、一緒に映画が観たい。

ギャング映画の銃声にびっくりしてお亡くなりになった客、次からは彼が座っていた席には花束が。映画ファンとして、あんなふうに死ねたら最高だよなぁ。

「cinque per cinque = natale!」のシーン、何回観ても最高。先生何気にえげつないw
https://youtu.be/g28viONLuZ8

 

ニュー・シネマ・パラダイス 4K UHD+Blu-ray(3枚組)ニュー・シネマ・パラダイス 4K UHD+Blu-ray(3枚組)

[原題]Nuovo Cinema Paradiso
1988/イタリア・フランス/124分
[監督]ジュゼッペ・トルナトーレ
[音楽]エンニオ・モリコーネ
[出演]フィリップ・ノワレ/ジャック・ペラン/サルヴァトーレ・カシオ

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