『ファースター 怒りの銃弾』(ジョージ・ティルマン・Jr)

ファースター 怒りの銃弾

映画館で観たかった1本でしたが、見逃してしまったので、ようやく観れました。

今回は、ドウェイン・ジョンソン主演『ファースター 怒りの銃弾』です。

この映画、主要3キャストに名前がありません。登場場面にクレジットが被さりますが、それぞれ“Driver”“Cop”“Killer”、この時点で、もう細かいことはどうでもいい。
もちろん、ウォルター・ヒルの『ザ・ドライバー』ですね。

あの映画は“The Driver”“The Detective”“The Player”でした。
あの映画は脇役まで全員この調子で徹底されていましたが、今回もクレジット見ると多くの人はこのパターンですが、名前のある役も何人かいましたね。

話的には何の目新しさもありませんが、一言で言うなら、かなり強引に言うなら、マカロニウエスタン×『マッスルモンク』
派手なアクション映画でもありますが、テーマは“赦す”です。

マカロニといえば、“Killer”のiPhoneの着メロが『続・夕陽のガンマン』。こういうところもいちいちニクい。
そのまんまではありませんが、“三角決闘”みたいなシーンもありましたね。

この“Killer”の設定は少し面白く、彼にとって、“殺し”は、ヨガや登山などと同じで、趣味の一つでしかない。お金にも困っていないので、報酬は1ドルしか受け取りません。

世界で10人しかできないヨガのポーズをマスターしたからもうヨガはやめみたいな台詞がありますが、とことんまで極め、達成することにだけ意味があるので、達成したらさっさとやめて、次のより困難なことにチャレンジ。

なので、“殺し”の依頼がキャンセルになっても、そんなことは知ったこっちゃないので、成し遂げるまで“Driver”を追うことに。

ファースター 怒りの銃弾

基本的には何の不満もありませんが、問題があるとすれば、ビリー・ボブ・ソーントンのキャスティングか。
演技がどうこうという意味ではなく、ショーン・ビーンと同じで、この人がただの●●なわけがないと、展開が読める(笑)
まあでも、この手の映画で読めないストーリーなんかめったいないので、問題ないといえばないですね。

ファースター 怒りの銃弾 ビリー・ボブ・ソーントン

何より、アクション映画で実は一番重要な、主役の“俳優自身の存在感”。
何も喋らなくても、何もしなくても、そこに立っているだけで、無言で睨みを効かせているだけで、それだけで成立する存在感。

ファースター 怒りの銃弾 ドウェイン・ジョンソン

その点、さすがは“People’s Champion”ロック様、そこらへんの~様とは格が違います。

70年代の香りがする、B級アクション映画の快作。

 

ファースター 怒りの銃弾 [Blu-ray]

[原題]Faster
2010/アメリカ/98分
[監督]ジョージ・ティルマン・Jr
[音楽]クリント・マンセル
[出演]ドウェイン・ジョンソン/ビリー・ボブ・ソーントン/オリヴァー・ジャクソン=コーエン

→予告編 →他の映画の感想も読む

関連記事

Twitterでの連投をまとめておきます。(一部加筆修正) 【夜の闇が主役な映画】『ザ・ドライバー』(ロサンゼルス)/『PTU』(香港)/『漆黒の闇で、パリに踊れ』(パリ)/『ラン・オールナイト』(ニューヨーク) 『ラン・オールナ[…]