『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(セルジオ・レオーネ)

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗

『夕陽のガンマン』に続いて2本目のマカロニウエスタンです。

すぐに殺されてしまう雑魚キャラの濃すぎる顔のアップで始まるオープニングから、ほとんど女性が出てこない、熱くて、渋くて、濃くて、痺れる男の世界。

そして、前作ではリー・ヴァン・クリーフが圧倒的な存在感でイーストウッドを喰っていましたが、今回は断然イーライ・ウォラック!

続・夕陽のガンマン イーライ・ウォラック クリント・イーストウッド

まずはなんといってもインパクトありすぎの顔。

そして、銃の店で値切っていると思ったら店員が値を釣り上げていって実は脅迫していたり、砂漠を行く時馬につけた日傘がなぜかピンクだったり(笑)

数千というお墓が立ち並ぶ墓場を駆け回るシーンの疾走感!

イーストウッドとのコメディといってしまっていいほどの掛け合い。

さらに、兄との再会のシーンでは泣かせてもくれます。

それでも、この映画はやっぱりなんといってもラストの三角決闘でしょう。

早撃ちは一対一でも痺れますが、遠く離れた三角形に位置取っての闘い。

続・夕陽のガンマン 三角決闘

エンニオ・モリコーネのかっこよすぎる音楽をバックに、これでもかというくらい引っ張ります。
思わず“早く抜かんかい!”と突っ込みたくなりそうになってからもさらに引っ張ります(笑)
この引っ張り具合が最高!!

引っ張るだけ引っ張っておいて、いざ勝負が決まる刹那。
この伝説の決闘シーンはもはや芸術。

原題の通り、“善玉”vs“悪玉”vs“卑劣漢”の20万ドルを賭けた漢の闘い。

そして、“卑劣漢”イーライ・ウォラックの魂の叫び、「お前は善玉なんかじゃねえ!」
くぅ~!!

前作『夕陽のガンマン』を傑作と書きましたが、さらにその上をいきます。
文句なしの傑作。

以下はネタバレを含むちょっとしたおまけ。未見の方はご覧になってから読まれることをお薦めします。

本編の三角決闘では、イーライ・ウォラックの弾は事前に抜かれていて、イーストウッドはリー・ヴァン・クリーフだけマークしていればよかったわけですが、仮に3人ともに弾がちゃんと入っていて条件が完全に互角だったらどうなったか、お遊びで考えてみました(笑)
以下名称は次のように略。
善=イーストウッド
悪=リー・ヴァン・クリーフ
卑=イーライ・ウォラック

~予想~
・善は悪の方が卑より手強いと思ってるから悪→卑の順で狙う。
・悪も同じように善の方が卑より手強いと思ってるから善→卑の順で狙う。
・でも善の方が悪より早いから悪は1発も撃てずに死亡。
・卑はとにかく善が憎くてしょうがないから善→悪の順で狙う。
・卑の腕もかなりのものなので善の2発目よりは卑の1発目の方が早い。よって善死亡。

生き残るのはイーライ・ウォラック!(笑)
どうでしょう?

(2005.2.6)

~2016.10.23 劇場鑑賞時の感想~
映画館では初。

映画の面白さは今さら書くこともないけど、家で観るのと何が違うって、ただでさえ超がつくクローズアップで顔全体も映らない役者たちの顔が、さらにとてつもない大きさに!

セルジオ・レオーネは他の監督以上に、映画館で観るとほんと別次元だよなぁ。

20万ドルの金貨を巡る話がメインではあるけど、南北戦争の背景がかなり効いていて、戦闘シーンも気合入りまくり。

すぐ死ぬチョイ役のどアップから映画が始まるように、とにかく顔顔顔の映画だけど、橋の爆破を見届けた大尉の表情は何回観ても涙なしでは観れない。

 

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[原題]Il Buono, il brutto, il cattivo
1966/イタリア/161分
[監督]セルジオ・レオーネ
[音楽]エンニオ・モリコーネ
[出演]クリント・イーストウッド/イーライ・ウォラック/リー・ヴァン・クリーフ

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