『あの子を探して』(チャン・イーモウ)

あの子を探して

『初恋のきた道』に続いて2回目の登場となるチャン・イーモウ監督作品です。

『初恋のきた道』では今やスターとなったチャン・ツィイーが抜群の可愛さでヒロインを演じていますが、この作品は、出演者のところを見てもわかるように、役の名前と役者の名前が完全に一致しています。そうです、プロの俳優を1人も使っていないのです。

子役ではなく、子供そのもの。
教師でさえ13歳、生徒はさらにもっと小さくて、ほんとに可愛すぎます。

あの子を探して

この教師、いつもの先生の代わりに1ヶ月限定で赴任した先生。
1人も生徒が辞めなかったら報奨金をもらえるということで、黒板いっぱいに文字を書いたあとはそれを写させ、教室の入り口で生徒が逃げないように見張ります。

そして、なんでそこまで冷たくするのかと思えるほど、生徒にそっけない態度を見せます。
生徒たちも、「隣の村の~のお姉さんだぁ」みたいな感じで先生として認めません。

そんな中、クラス一の腕白坊主が家庭の事情で町に出稼ぎに行ったとの知らせを聞いた先生はびっくり。辞められてはお金がもらえないからです。
町に行こうとするものの、なんせお金がありません。

そこで、お金を手に入れるために、クラスの生徒みんなと近くの工場にレンガを運びに行きます。
この時、何個運べば目的の金額になるかを、生徒に計算させます。
ただ黒板を写させていただけの授業が、一つの目的のために、みんな目を輝かせて計算をしています。

この光景をみた村の村長さん、「やるなぁあの先生、数学の授業もちゃんとやってるじゃないか」そんなようなことを言います。このシーンほんとに最高です。
みんなの心が一つになっていくところを、わざとらしくなくほんとに自然に描いていて、さすがチャン・イーモウと思わせる場面です。

そして、なんとか町にたどり着いた先生、いろいろやってみるもののまったく見つかりません。

とある人から、テレビで探してもらうのが一番いいと教えられ、テレビ局に行ったものの、証明書もお金もないため、あっさり門前払いをされてしまいます。
受付のおばさんに、そこまで言うなら局長さんに直接頼みなさいと言われ、この先生、テレビ局の門の前で出てくる人1人1人に「局長さんですか?」と尋ねます。

ほとんど何も食べずそんなことを毎日繰り返す先生。
そこまでするかと思いますが、あまりに健気すぎて、見ていられないくらいです。

1人1人がみんな素人だからでしょうか、演技か素かわかりませんが、ほんとに自然で子供たちが可愛すぎます!

[原題]一個都不能少
1999/中国・アメリカ/106分
[監督]チャン・イーモウ
[出演]ウェイ・ミンジ/チャン・ホエクー/チャン・ジェンダ

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