ジョニー・トー第15弾。
『天若有情』『カジノ・レイダース2』に続いて、アンディ・ラウ&ン・シンリンコンビです。
この二人、最近の『ベルベット・レイン』では夫婦でしたね。
さて、アンディ・ラウ&ン・シンリンコンビといえば、二人揃ってハッピーエンドになったためしはなく、いつもどっちかが死ぬわけですが、最後まで二人とも生きているのは初めてですね。めでたしめでたし!
日本軍との空中戦で負傷した中国空軍兵士ラウ(アンディ・ラウ)は、山奥の小さな農村に不時着。
献身的に看病してくれた村の娘ウー(ン・シンリン)と恋に落ちる。
しかし、ウーには幼い頃から決められた婚約者がいた…。
よくあるパターンです、はい(笑)
引き裂かれる二人、募る想い、娘は男を追って都会へ…。
こんなのでは泣きません(笑)
ただ、農村の風景は美しいですね。
広大なトウモロコシ畑の光景には、ネストール・アルメンドロスの伝説の映像美『天国の日々』がちらっと頭をよぎりました。
ウーが去り、ラウが一人戦闘機の側に取り残されるショットも、ジョニー・トー監督はこれが撮りたくてこの映画を撮ったんじゃないかというくらいキマッています。
玉砕覚悟で飛び立っていく時の、アンディの投げキッスはやりすぎでしょう(笑)
みんながもう諦めたのに、一人滑走路を片づけラウの帰りを待つウーは素晴らしい。
この感じはン・シンリンだからこそですよね、サミー・チェンではこうはなりません(笑)
ただ、個人的にこの映画一番のツボは、二人のやりとりではありません。
ラウは実は大金持ちの息子で、母親は軍に戦闘機を贈呈したりしているので、上層部にも口がききます。
それで、母親は息子を空軍の英雄に祭り上げようとし、さらに安全な参謀部へ移動させようとします。
しかしラウは、自分を助けに部隊が村まで来てくれた際、基地への帰路で仲間二人が命を落としているので、そんな母の申し出を断ります。
ラウ所属の第24中隊の面々が新たな作戦の話をしています。
それは帰還の可能性がほとんどない作戦。
ラウの参謀部への移動とともに、第24中隊は解散という話になっています。
言ってみれば、見捨てられた隊への無謀な任務。
しかし、次々に志願する兵士たち。
「よし。大きい数を引いた3人に行ってもらう」と隊長。
扮するのはミウ刑事、じゃなくてアレックス・フォン!
そこへラウが「私が行く。仲間を死なせた責任を取らせてくれ」と現れます。
「上が許さん」と隊長。
しかし、ラウは続けます。
「隊長、これには第24中隊の存続がかかっています。作戦を成功させて全機で帰還しましょう」
さらに、微かな笑みを浮かべて続けます。「隊長、参謀部への移動は断りました。最後の1機になるまで私は第24中隊に残ります」
ニヤリとするアレックス・フォン。
「よし。お前も加われ」
ベタですが、こういうのに弱いんです(泣)
さすがジョニー・トー監督、泣かせるツボをわかってらっしゃいます(笑)
[原題]天若有情III烽火佳人
1996/香港/90分
[監督]ジョニー・トー
[出演]アンディ・ラウ/ン・シンリン/アレックス・フォン
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