『ワイルド・スピード MEGA MAX』(ジャスティン・リン)

ワイルド・スピード MEGA MAX

『王妃の紋章』の感想に「チン・シウトンやりすぎ」と書きましたが、チン・シウトンもびっくりの半端ないやり過ぎ度、さすがMEGA MAX!
というわけで今回は、『ワイルド・スピード』シリーズ最新作『ワイルド・スピード MEGA MAX』です。

このシリーズ、実は1しか観たことがありませんが、それでも何の問題もないところが素晴らしい。
でも、1すら観ていないと、ちょっと楽しみが減るかもしれません。

映画は、一言で言うなら、『暴走パニック 大激突』×『北国の帝王』&綺麗なお姉ちゃんもいるよということで、そりゃアメリカで大ヒットするはずだ(笑)
リアリティとかモラルとか言い出す方にはひっかかるところも山ほどあるでしょうが、“映画館を一歩出たら何も残らないけど映画館にいる間は最高”な映画が好きな人間にとっては、もうたまらない映画。

ワイルド・スピード MEGA MAX ガル・ガドット

しかも、もちろんこのシリーズの売りであるカー・アクション、さらにド派手な銃撃戦もありますが、クライマックスはやっぱり、ヴィン・ディーゼルとドウェイン・ジョンソンのド突き合いでしょう。
ここでは、車も銃もなしで、頼れるのは己の拳のみ。

この前『ファースター 怒りの銃弾』でも書きましたが、アクション映画で実は一番重要な“俳優自身の存在感”。
さっき恐れ多くも『北国の帝王』を出したのはここで、面構えではさすがにリー・マーヴィンとアーネスト・ボーグナインにはもちろん敵いませんが、迫力では負けてません。

ワイルド・スピード MEGA MAX ヴィン・ディーゼル ドウェイン・ジョンソン

そして、これまたアルドリッチの大傑作である『ロンゲスト・ヤード』の感想の中で、「同じフィールドに立ち身を削って雌雄を決した者同士にだけわかるお互いの意地。そこには看守も囚人もなく、あるのは男としての誇り。」と書きましたが、あの映画で看守の一人がバート・レイノルズに言った「案外やるな」、そこにはもはや、過去も立場も関係ない。
普通に考えたらドウェイン・ジョンソンの行動は大問題なわけですが、“アルドリッチ節”の前では、そんなことはどーでもいい。

細かいことはどーでもよく、楽しんだ者勝ち。
そして、観るならぜひ映画館で。
最高。

※エンドクレジットが始まっても、最後までご覧になることをお薦めします。最後の最後にまたキター!なワンシーンがあります。

 

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[原題]Fast Five
2011/アメリカ/130分
[監督]ジャスティン・リン
[音楽]ブライアン・タイラー
[出演]ヴィン・ディーゼル/ポール・ウォーカー/ジョーダナ・ブリュースター/ドウェイン・ジョンソン/タイリース・ギブソン/クリス・“リュダクリス”・ブリッジス/ガル・ガドット/マット・シュルツ/サン・カン/エルサ・パタキ

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