たった2人ですが、“チーム萌え”として素晴らしい。
ブラッド・ピットとジョナ・ヒル、特に、“静かな”ジョナ・ヒルがいいなぁ。
そんなチームとしての二人が一つになって盛り上げるのが、トレード最終日の交渉の場面。
野球好きとしては、舞台裏が見れるという意味でも名場面でしたね。
もちろんデフォルメされてるでしょうが、トレード最終日にはあんなふうに分刻みの戦いが繰り広げられていることでしょう。
監督に「君も同意したのか?」と聞かれた時の、「100%」も痺れる台詞。
いよいよ後戻りできなくなった二人が、心を決めた瞬間。
そんなふうに、これは「決断」の物語でもありますね。
マネーボール理論を採用するという決断、誰を獲得し、誰を切るかという現実的な決断、そして、自らの人生の決断。そこに影を落とす過去の決断。
何を求め、何を選び、それによって何を諦め、それでもそれによって何が残るのか。
ただのサクセスストーリーでは終わらせず、現実もちゃんと見せ、その先にある“何か”へと物語はさらに続く。
数字の、理論の物語のように見えて始まった物語は、数字では測れない、理論では、理屈ではない大切なものへと帰結していく。
マネーボール理論も、野球ですら脇役でしかなく、“人”を、“心”を描いた物語。
もっと盛り上げようと思えばいくらでも盛り上げれるところを、抑えた演出も素晴らしい。
最後に、そこらへんにいる“大リーグの監督”にしか見えないフィリップ・シーモア・ホフマン上手すぎ(笑)
[原題]Moneyball
2011/アメリカ/133分
[監督]ベネット・ミラー
[脚本]スティーヴン・ザイリアン/アーロン・ソーキン
[出演]ブラッド・ピット/ジョナ・ヒル/フィリップ・シーモア・ホフマン/ロビン・ライト
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