中文字幕にて鑑賞。ですが、例によって字幕は追っていません。
詳しくはわかりませんが、たぶんTVBの2時間ドラマか何かでしょう。日本でいう2時間ドラマの刑事モノみたいな感じでしょうか。
話的には目新しさは何もない話で、途中までは正直いまいち盛り上がりにかけます。
主演はマック・チョイハンという女優さんで、フィルモグラフィーを見ると『城市特警』で観ているはずですが、正直あまり印象に残っていません。
今回は、刑事チームのボス。
『天使の眼、野獣の街』のマギー・シューみたいに、劇中ではMadamと呼ばれています。
責任感からか少し暴走気味で、そんな彼女は上層部からは良いふうに思われていませんが(1989年の作品なので香港人のボスの上にはさらにイギリス人のボスが)、部下からの信頼はあるようです。
いつも一緒にいる元気な女性の部下がフィオナ・リョン。
『ヒーロー・ネバー・ダイ』でトーさん映画史上最強の女性を演じたあのフィオナ・リョン。
10年ほど前の作品ですが、当時から元気いっぱいです。
半分あたりでアンソニー・ウォン登場。当然悪役の側かと思ったら、なんと刑事(笑)
ですが、まともな刑事なわけもなく、アル中。
ただ、アル中になるのも仕方ないほど、彼には悲しい過去が…。
この過去も含め、日本の2時間ドラマではありえないほど、描写は容赦ない。トー組のアクション監督ユン・ブン、TVドラマでも抜かりはありません。
ビルの上から車の上に落ちてくる『コラテラル』みたいのもあれば、走っているバスの上での犯人との格闘からやはり犯人が車のフロントガラスに落ちるなんてシーンも。
さらに凄いのは、お腹を刺された刑事が執念で走っている車の後ろにしがみついて引きずられていくと、気づいた犯人が車をバックさせそのまま…なんていうシーンも。
しかも、それでもまだ粘るのでちゃんと止めも刺されます。
アンソニー・ウォンも凄まじいことになりますが、それは観てのお楽しみということで。
ただ、このドラマで一番おおっ!と思ったのは、先ほどの主演のマック・チョイハンのあるシーン。
例によって暴走気味の彼女は一人組織のアジトに向かうわけですが、敵に気づかれ、後をつけられ、階段を昇りきったところで「手を挙げろ」となります。
そこで言われた通りに両手を挙げる彼女ですが、体を捻って倒れ込みながらの射撃!凄い!!!
ちゃんと直前に銃を腰のところに差す描写もありましたね。
ロイ・チョンでもこんなかっこいいの観たことありません(笑)
正直このシーンまではこの主役にはどこかいらいらさせられていましたが、このシーンで全て吹っ飛びました。
そして、エンドクレジットに流れる曲!この容赦のないドラマをこの曲で締めくくりますか。
『ヒーロー・ネバー・ダイ』で「スキヤキ」を使う遥か昔、すでにトーさんの選曲センス炸裂。いいなぁこの終わり方。
時間は79分と短いですが、後の『デッドポイント~黒社会捜査線~』や『ブレイキング・ニュース』を思わせるようなシーンもちらほらありますし、トーさんのファンなら十分楽しめると思います。
[原題]特警90
1989/香港/79分
[監督]ジョニー・トー
[出演]マック・チョイハン/フィオナ・リョン/アンソニー・ウォン
この前UPした『特警90』に続いて、第2弾観ました。 今回も中文字幕での鑑賞ですが、例によって字幕は追っていません。 前作の主演のマック・チョイハンも続投していますが、前作にも出ていたフィオナ・リョンが今回は主役。 もう一[…]