前回UPしました『文雀』ですが、例によって、日本語字幕無しでの鑑賞でした。
この場合、中文字幕で観る方と英語字幕で観る方がいらっしゃるでしょうが、管理人の場合はいつも英語字幕で観ます。
『エグザイル/絆』も、香港版DVDで観てから日本で公開されるまで結局2年もかかりましたし、この映画もいつになるかわかったものではありません。
無い無いと嘆いてばかりでもしょうがないですし、無いなら自分で作れということで、日本語字幕作っちゃいました(笑)
英語字幕を元にしているので、役名はそのまま英語表記にしてあります。
直訳のところと意訳のところの差が激しいですし、細かく調べたわけではないので誤訳も少なくないと思いますが、だいたいの雰囲気はわかるかと。
幸いなことに、この映画は、台詞がむちゃくちゃ少ない。
カジノの客の呟きや通行人の電話の内容など、本筋と全く関係ないところは一部省略していますが、基本的に以下ので全部です。少なすぎ(笑)
でも、サイレント映画として観ても何の不自由もないほど、映像が全てを語っている映画ですからね。
それでは、以下からが自作の日本語字幕です。
字幕だけというのも味気ないので、写真もいくつかUPしておきます。
あと、誰の台詞かは、ご覧になった方には一目瞭然なので、省略させていただきます。
「ウェイター、朝飯とコーヒー」
「すぐにお持ちします」
「おい、貧乏揺すりをやめろよ」
「はい、朝食です」
「文鳥がアパートに飛び込んできたんだ」
「生きたままで?」
「ああ、何かの兆候かな」
「Mac、お前はどう思う?」
「俺はそんなことよりも女の子のことを考えたいよ」
「お前が考えてるのはいつもそればっかりだよ!」
「Bo、お前は?」
「どの馬に賭ける?」
「俺の質問に答えろよ!」
「文鳥はきっとあんたに悪運をもたらすさ。友達の友達が土地を買ったんだ、文鳥が飛び込んできた後、その土地は半分の価値しかなくなった。彼とその奥さんは二人とも前立腺腫瘍にかかったんだ」
「悪運をもたらすだと?よくできた話だ、この嘘つきが」
「なぁ、俺はあんたから全てを学んだ」
「全てを?」
「今日は俺にリードを取らせてくれよ」
「できるのか?お前にはまだ学ぶことはたくさんある」
「すいません、大丈夫ですか?」
「はい」
「すいません、拾いますよ」
「いいえ、大丈夫です」
「お前の取り分だ」
「大金じゃないか!」
「こんなのはした金だよ、前に一日に1万ドル以上稼いだことあったろ?」
「太った奴が大金を運んでた、それはシンガポール人の金だった」
「お前らもっと利口になれないのか?もっとましになろうと考えないのか?お前はリードを取るにはまだ早いよ」
「やってみたいんだ」
「この財布を捨てて来い、お前にはまだ早いよ!俺は外貨を隠してくる」
「昼飯はまだか?」
「ああ」
「一杯やってくれ」
「すまないね」
「来い、来い、Bank!」
「家まで送ろうか?」
「飲みなさい」
「もう1本!」
「ちょっと待って!」
「電話して」
「街まで乗せてってくれる?お金は払うわ」
「ここで。あなたの電話番号は?」
「9720-7648」
「かけるわ」
「ちょうど修理が終わったところだ、君の物だよ。母が亡き妻のためにくれた物だ」
「お薬の時間です」
「そこに置いといてくれ」
「Fuさんに必ずお薬をお願いね」
「かしこまりました」
「外出してきます」
「どうかしたの?元気がないみたいだけど。飲んでるの?何かあったの?」
「乗って」
「どこへ?」
「あなたの家に行きましょう」
「私は上のあそこに住んでるの、カーテンが閉めてあるところよ、いつもあなたを見てるわ」
「なぜ写真を白黒で撮るの?」
「色は惑わすからだろうな」
「これは何?」
「文鳥さ」
「あなたみたいにスリをするの?」
「君たちは似てるよ」
「こうした方がいい」
「彼女は自分自身で籠に戻ってくるんだ」
「もらっていい?」
「もちろん」
「約束して、ここにある写真を誰にも見せないと」
「何が望みだ?」
「“Chung Chun Lei”」
「何がそんなに可笑しいんだ?」
「可笑しい?」
「さあ、仕事だ!」
「俺たちはあんたを待ってたんだ」
「この自転車はあんたのか?ガラクタだろこれ」
「壊れてるよ」
「黙れ、お前が壊したんだろ、弁償しろ!」
「払うもんか!」
「新しいのを買うためにみんな50ドルずつ出せ!」
「走れ!」
「Macは病院にいるって、傷口を縫ったとさ」
「何があった?」
「お前こそ何があったんだ?」
「あんたは?」
「なぁ、お前たち、綺麗な女の人に会わなかったか?」
「だから文鳥は悪運をもたらすって言ったろ、わかったか?」
「出てけ!」
「Miss、助けはいりますか?」
「お前には関係ないだろ」
「誰でも女性が傷つけられるのなんか見たくないだろ」
「Miss、あなたを守るためだったら何でもしますよ」
「俺たちの間違いでした・・・、すいません、好きにして下さい」
「彼があなたたちを傷つけたなんて知らなかったの」
「嘘つき!」
「あんただって、奴らがあんたをいつも見張ってるのを知ってるだろ!」
「ごめんなさい」
「黒幕は誰だ?」
「Fuさんは良い人だわ、彼は私によくしてくれる。この数年間、いい暮らしもさせてもらったし、最高の物ばかり持たせてもらった。彼は、私を助けるために道を外しさえした。彼にはほんとに大きな恩義があるわ。彼は、日に日に歳を取ってる、私は彼の身の世話をしなければならない、そんなことできないわ・・・。私は彼の元を離れないといけない、自分自身を見つけるために、本物の愛を見つけるために」
「力を貸して」
「どうやって?」
「言い訳はもう十分だ、俺の友達を引きずり込むな」
「このお金取っといて」
「どこに行くんだ?」
「年寄りに償いをさせるんだ」
「俺もやる!」
「計画を練らないといけないな」
「勝手にやるな!」
「私よ、ごめんなさい・・・Fuさんが知って・・・、彼らは助けを断ったわ」
「家に帰れ」
「家に帰れだと?」
「もう一人前だと?」
「ああ」
「ほんとにできるのか?」
「問題ない」
「証明しろ、あの警官から手錠を盗んでみろ」
「わけないね」
「ほんとか?」
「お巡りさん、手錠を落としてますよ」
「お巡りさん、ネクタイも落としてますよ」
「家に帰れよ」
「あんたが帰れよ」
「宅配はChan先生でよかったですか?」
「はい」
「いくら?」
「120ドルです」
「そのエレベーター待ってくれ!」
「宅配です、120ドルになります」
「ありがとう」
「Chan先生に予約をしているのですが」
「掛けてお待ち下さい」
「ありがとう」
「すいません」
「この用紙に記入して下さい」
「Fuさんが終わったら呼んでちょうだい」
「わかりました」
「Fuさん、ちょっと失礼します」
「凄い効き目だな」
「入りなさい」
「お前はわしの全財産を相続するのに、盗む必要なんかないだろ」
「スリに気をつけなさい、彼ら4人がいるよ」
「こちらBoです、メッセージを残してください・・・」
「はい、Sakです、ただいま電話に出られません・・・」
「こちらMacです、メッセージを残してください・・・」
「Fuさんがあんたに会いたがってる、もし心配なら、友達も連れて来い、弁護士も一緒でも構わんぞ。それか、警察に電話するんだな」
「Fuさん」
「Fu Kim Tongです」
「仲間たちは何も傷つけるつもりはなかったんです、誰かが彼らにやらせたんです」
「謝れ、謝れって!謝れ!」
「彼らはただ手伝おうとしただけだ。だが、これは誤解だったようだ。Chun Lei、説明しなさい」
「Fuさんと私は問題を抱えていました、でも、今はもう問題ありません。私はもう大丈夫です、手伝ってくれてありがとう。これからはもう私のことは心配しないで、私は幸せです」
「わかったか?」
「はい」
「ほんとにわかったか?」
「はい、わかりました」
「もう帰っていいぞ!」
「ありがとうございます」
「待て、時計を返すのを忘れてたよ。昔はな、スリも本物の腕前を必要としたもんだ、Kiddo、一つアドバイスをやろう、手に入れたものはもはや手元にないと思え、わかったか?」
「はい」
「お前らは帰れ」
「忘れろよ」
「聞けよ、俺は奴に、俺が手に入れたものを見せつけてやる」
「何しに来た」
「Fuさん、一言言っても?」
「俺が怖いのか!」
「出てけ!」
「Lung、下がってろ」
「なぜ私が怖がる必要がある?」
「あんたに仕返しをするために戻ってきた」
「もし彼女があんたを好きでないなら、彼女を行かせるべきだ。愛は強制なんかできない、そうだろ?愛を強制できるっていうなら、俺と全力で戦うというのはどうだ?負けたらあんたの評判もガタ落ちだろうな、プレイボーイ気取りするには歳を取りすぎだろ。彼女にはもっとふさわしい人がいる。わかったか?」
「せっかく優しくしてやったのに、どうやらお前はお遊びがしたいようだな。わしがスリをしていた頃、お前はまだおむつをしてたくせに。お前に勝ち目なんかねえよ」
「あんたの過去なんか知ったこっちゃないさ、俺が知ってるのはあんたが女をいじめるような奴だってことだけさ」
「黙れ!」
「ああ黙るさ、彼女の言い分を聞こうじゃないか、彼女に自分自身の言葉で語ってもらおうじゃないか、言えよ」
「ごめんなさい・・・」
「わかったか?」
「お前なんか簡単に打ち負かしてくれるわ!もし今夜、彼女のパスポートを持ったままお前が無事だったら、彼女を自由にしてやる、その代わり、もしだめだったら、お前の手を切り落としてやる!」
「ああ、構わないさ」
「もし彼が負けたら、わしが死ぬその日まで、ずっと側にいるんだぞ、いいな」
「はい」
「わしが切った、どうやら腕が落ちたようだな」
「出てきなさい」
「行きなさい、さぁ」
「ありがとうございます」
「行きなさい」
「お気をつけて、お体を大事にして下さい」
「どうすればいいかはわかってるさ」
「出してくれ」
「さようなら」
「もう二度と会いたくないもんだな」
「よい旅を」
「さようなら」
「落ち着けよ」
「乗れよ」
「空港まで」
「空港に行くところなのよ!」
「どうする?」
「腹ごしらえして、それから仕事だ、いくぞお前ら」
「じぁ行こう」
「俺も乗せてくれよ」
「ありがとう」
「このまま行こう」
「チャンスをやろうか」
「あんたがボスだよ」
「お前の番だ」
「あんたのポジションを取ろうなんて思わないよ」
「お前にはまだ学ぶことがたくさんあるからな」
「俺の文鳥だ」
「文鳥?」
「俺の文鳥だよ」
「それで?」
「慎重にな」
「ははは、頭にくらわしやがった」
「仕事に戻ろうぜ~」
映画祭で日本語字幕付でご覧になった方で、明らかな誤りがおわかりの方は、ご指摘いただけると大変助かります。
今後も何回も観ると思いますので、自分自身でも間違いに気づいたら随時訂正していきたいと思います。
~2009.2.7追記~
5011様に情報をいただき、「Sparrow」の訳を「文鳥」に訂正しました。
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