ジョニー・トー選出、クライテリオンレーベルTOP10

ジョニー・トー

この前BRUTUS最新号にジョニー・トー監督が登場!というエントリーをUPしましたが、その中で、

40歳を迎えるトーは自問自答していた。黒澤明、サム・ペキンパー、そしてジャン=ピエール・メルヴィルに憧れながらも、残りの人生も年間数本の商業作品を撮り続けるのか、と。

というくだりが素晴らしいと書きました。

そこで思い出したのが、例のクライテリオンのTOP10。
クライテリオンが聞いたTOP10なので、対象はクライテリオンレーベルから発売されたものに限られます。

ジョニー・トー監督のTOP10が発表されたのは確か去年の夏頃だったと思いますが、その頃はブログ休止中でしたので、そういえば今まで触れていませんでした。

ジョニー・トー監督がお気に入りの作品を挙げる機会はそう多くないので、こういうのは貴重ですね。
他には、以前取り上げましたジョニー・トーが選ぶクライム・ムービーDVDベスト5というのがありました。

以下がジョニー・トー監督のクライテリオンレーベルTOP10。トーさんの一言コメント付。

#1 七人の侍(黒澤明)
The opening scene, with the horses, is one of the best ever. It always mesmerizes me.

#2 天国と地獄(黒澤明)
It has a great setup, great characters, and a great theme. Kurosawa’s vision raised the film to another level.

#3 わらの犬(サム・ペキンパー)
Sam Peckinpah and Dustin Hoffman at their best. The rape scene is horrific and haunting.

#4 切腹(小林正樹)
The first view of the sword sent chills through my spine.

#5 サムライ(ジャン=ピエール・メルヴィル)
This film gave birth to the cool hit man archetype.

#6 仁義(ジャン=ピエール・メルヴィル)
It contains a Buddhist concept that is echoed in some of my own works. Here we see three heroes caught in a unique situation where their friendship matters more than anything else.

#7 花様年華(ウォン・カーウァイ)
It’s a film with great flavors. I wish it would just play on and on.

#8 未来世紀ブラジル(テリー・ギリアム)
An abstract and strange world. A view of what we all may become one day.

#9 ラストエンペラー(ベルナルド・ベルトルッチ)
It’s almost surreal to see Chinese costume drama performed with English dialogue!

#10 用心棒(黒澤明)
A film that combines the sitcom and the samurai film.

黒澤明が3本、メルヴィルが2本、ペキンパーが1本。
さすがトーさん、ジョニー・トーが選ぶクライム・ムービーDVDベスト5の時と同様、凄くわかりやすいラインナップ(笑)

『天国と地獄』は両方でランクインしていますね。

『エグザイル/絆』がもろにそうだったように、ペキンパーなら『ワイルドバンチ』じゃないの?となりそうですが、Criterionから出ているペキンパーは『わらの犬』1本だけなので、他は選択肢にありません。
ただ、コメントのところでペキンパーのベストだとは言っています。

ウォン・カーウァイも、Criterionからは『花様年華』と『恋する惑星』しか出ていませんが、この2本なら『花様年華』を選ぶところも、「私はセリフよりもイメージを大事にしたいと思っている」と語るトーさんらしい。

日本人としては、『切腹』が入っているのも嬉しいですね。

The Criterion Collection<Johnnie To’s Top 10>

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