『淑女は何を忘れたか』(小津安二郎)

淑女は何を忘れたか

これは素晴らしい!

淑女は何を忘れたか 粟島すみ子 斎藤達雄 桑野通子

「コーヒーでもいかが?」
「こんな時間に飲んだら眠れなくなるよ」
「(超甘えた声で)眠れますよ~」

その真意に気づいた時の、斎藤達雄のあの表情!
柱時計の音に合わせて消えていく部屋の灯り!

ベッドシーン一切なしで描く熱い夜。
小津流ルビッチ・タッチ。

そんな二人に刺激を与えることになる姪の桑野通子が圧倒的に素晴らしい!
『秋日和』の岡田茉莉子に匹敵するキャラにようやく出会えました。

斎藤達雄を発奮させるために、だんだん呼び方がきつくなっていくシーンのあの畳み掛け、『秋日和』の「平山くん」呼ばわりに匹敵する屈指の名場面。

 

あの頃映画 松竹DVDコレクション 「淑女は何を忘れたか」

1937/日本/75分
[監督]小津安二郎
[脚本]伏見晁/ゼームス・槇(小津安二郎)
[撮影]茂原英雄/厚田雄春
[出演]粟島すみ子/斎藤達雄/桑野通子/佐野周二/坂本武/飯田蝶子/上原謙/吉川満子/葉山正雄/突貫小僧

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