『ガントレット』(クリント・イーストウッド)

ガントレット

クリント・イーストウッド第5弾。

フェニックスの刑事ベン・ショックリーは、ラスベガスからある事件の重要証人マリーを護送してくるよう命じられる。
しかしマリーは、ここを出れば殺されると怯えていた…。

とまぁ話としてはよくある話で、目新しいことはありません。
では何が素晴らしいかというと、これでもかというくらい続くアクションの連続。

二人で家にいるところを“警官”に取り囲まれ、白昼堂々蜂の巣にされてしまうシーン。
いかに銃弾の数が凄いかは、最終的に家が崩壊してしまうほど。

バイクとヘリコプターの追撃戦も凄い。
猛スピードで逃げるイーストウッドが駆るバイク、執拗に追い狙撃するヘリ。

ガントレット クリント・イーストウッド ソンドラ・ロック

それでもなんといっても圧巻は、市街地を数千発の銃弾の嵐の中バスが進むシーンでしょう。
このシーンが圧倒的に素晴らしいのは、普通のハリウッド映画だったら銃弾の嵐の中をバスが猛スピードで駆け抜けるところを、この映画では“ゆっくりと”進むところ。

待ち構える総動員された数百人の警官、皆銃を構え、命令を待ちます。

そこに、交差点の影からゆっくりと姿を現すバス。
この“ゆっくり”加減が絶品で、少しずつ、少しずつ迫ってくるバス。

「撃て!」の命令の下、一斉に浴びせられる銃弾の嵐。とんでもない数です。

それでも、穴だらけになっても、窓ガラスが割れても、そのゆっくりとした歩みを止めることはないバス。
このシーンはずば抜けてかっこいい!

ガントレット バス

あと、イーストウッドにグーで殴られる女性は後にも先にも『恐怖のメロディ』のジェシカ・ウォルターただ一人かと思っていましたが、この映画にもいました。
「女を殴るの?」に対し、有無を言わさず走る汽車の中から外に殴り飛ばしてました(笑)

とにかくアクションが凄いこの映画、例のバスのシーンだけでも必見です!

 

ガントレット [Blu-ray]

[原題]The Gauntlet
1977/アメリカ/115分
[監督]クリント・イーストウッド
[出演]クリント・イーストウッド/ソンドラ・ロック/パット・ヒングル

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