
今は射撃大会に出場しなくなったものの、誰もがその腕を認める名手リック(レスリー・チャン)。
香港警察一の腕前を誇るミウ刑事(アレックス・フォン)。
射撃の訓練場で遭遇した二人は、相手に自分と同じ匂いを感じ、今年の大会での対決を誓う。
そして迎えた大会の日。
他を寄せつけない圧倒的な早さと正確さで決勝まで進んだ二人は、ついに雌雄を決しようとしていた…。
そこへ現れたミウ刑事の友人の同僚、株で大損し自暴自棄になった男は銃を乱射。
騒然とする会場。
男に銃を向けるものの、友を撃てないミウ刑事。
そんな時、寸分狂わぬ弾丸が男の額を撃ち抜いた…。
違わぬ腕前を持ちながら、最後まで引き金を引けなかった男と、引けてしまった男。
それぞれの運命が動き出す…。

再会は、3年後の警察の取調室。
わずか数秒の間に警官が何人も殺される事件が発生。
そんなことができるのは香港でも数人と、取り調べを受ける銃の名手たち。
しかし、ミウ刑事の目にはリックしか映らない。
取調室での二人のやりとり。
「疑問だった。なぜためらった。友達だから?違う、怖かったんだ。
お前が優秀なのは、標的が紙の時だけ、臆病者だ。
紙を撃つのと人間では、感覚がまるで違う。
あの日、銃の用途は人を殺すことだと分かった」
「人を殺すのは銃でなく人間だ」
「銃の善悪を話しても仕方ない。発明した目的は、人殺しだ」
「人殺しの感覚は?」
「知りたいのか?いつか教えてやる。病みつきになるかも」
人を撃つ悦びを知ってしまったリック。
しかし、時に気が狂いそうにもなり、自らのこめかみに銃を向けることも。
そんなリックの側に寄り添う女。
自分よりも銃の方を愛していることがわかっていながら、それでも、側から離れない。
そんな彼女には時折笑みを見せるリック。扮するのは、『PTU』での活躍が記憶に新しい、ジョニー・トー作品の常連ルビー・ウォン。
片やミウ刑事。自分が撃っていれば、急所を外して自分が撃っていれば、友を死なせずに済んだのに…。
次々と同僚を殺され、ついにリックを殺す決意を固めるミウ刑事。
しかし、いざそうなると興奮して落ち着かない。
そんな彼に寄り添う優しい妻。こちらはモニカ・チャン。
『ザ・ミッション/非情の掟』も銃へのこだわりが凄かった作品ですが、この作品も負けていません。
そういえばあちらの原題は『鎗火』、こちらは『鎗王』、同じ字が使われていますね。
『ザ・ミッション/非情の掟』で、スーパーボウル飯店のおじさんが雇った殺し屋がこのレスリー・チャンだったら、グァイやロイたちでも防げなかったかもしれませんね(笑)
今は亡きレスリー・チャン、インタビューで監督業への思いを笑顔で語っているのを見ると、彼がもうこの世にいないなんてとても信じられません。
プロ顔負けのガンさばき、狂気にとりつかれていく様、さすがレスリーでした。
そんなレスリーに存在感で負けてないアレックス・フォンも見事。
二人の華麗な銃さばきだけでも必見。
禁断の領域に触れてしまい自らでは抑えが効かず、自分よりも腕の立つ男に殺してもらうなら本望のリック。
頭ではダメだとわかっていながら自分も同じ領域に足を踏み入れようと、リックを止められるのは、リックを殺せるのは自分しかいないとミウ刑事。
次に出会う時は、命のやりとりになることは必至。
舞台は映画館、3年の時を越え、ついに雌雄を決する時が。
「Are you ready?」
[原題]鎗王2000/香港/94分
[監督]ロー・チーリョン
[製作]イー・トンシン
[音楽]ピーター・カム
[出演]レスリー・チャン/アレックス・フォン/ルビー・ウォン/ヴィンセント・コク/モニカ・チャン/ジョー・チェン
大陸からやってきた殺し屋フー(ダニエル・ウー)。 腕は立つものの、人を殺したことなどない田舎の若者。 チンピラにからまれていた娼婦タンタン(セシリア・チャン)を偶然救う。 お互いに大都会香港にやってきた大陸の田舎者、しかも近く[…]
あらゆる意味でぬるすぎる、「Are you ready?」って言えばいいってもんじゃない(笑) でも、ミウ刑事のあの笑顔が見れただけで、それだけでこの映画は意味がある。 雪ちゃんはまさかの投資会社勤務! ビジネスス[…]