『ブロークン・トレイル 遙かなる旅路』(ウォルター・ヒル)

ブロークン・トレイル 遙かなる旅路

Twitterでのつぶやきをまとめておきます。

『ジェロニモ』が予想外によかったので、前から積んでいたのをようやく観ましたが、ひょっとして21世紀最高の西部劇では?派手さは全くないけど、文句なしの傑作。すっかり終わったと思ってた(まあこれも8年も前ですが)ウォルター・ヒルに全力で土下座。

老カウボーイとその甥の、数百頭の馬を運ぶ長い旅。流しのバイオリン弾き、中国から売られてきた5人の少女たち等が加わり、いつしか彼らは“家族”のようになっていく。イーストウッドから伝家の宝刀“擬似家族”まで受け継いだ、堂々184分の傑作西部劇。

「“監督の仕事の7割はキャスティングだ”とサム・ペキンパー監督に言われたが、至言だね」とウォルター・ヒルが語ってましたが、確かにロバート・デュヴァルの時点で間違いない。彼が馬に乗って大自然の中をゆっくりと進むのだけでも何時間でも観ていられる。

「君が撮ればカナダも立派な西部になる」とロバート・デュヴァルも大絶賛のロイド・エイハーンの撮影も絶品。夜の焚き火、朝靄の中に照らす陽の光、そして何よりも馬!牛ではなく馬なのがポイントで、急斜面を猛スピードで駆け上がる数百頭の馬の群れは圧巻!

ウォルター・ヒル「西部劇とは何か?舞台が西部であり、カウボーイハットをかぶり、銃を引っ提げ、馬に乗る、これらは大事な要素だ。だが西部劇の本質は、何か問題が発生した時に、銃しか解決手段がないことなんだ。だから登場人物たちはジレンマに苦しむ」

ロバート・デュヴァル「イギリス人にとってのシェイクスピアが、アメリカ人にとっては西部劇なんだ」

久しぶりの連投。いやー、ほんとに素晴らしかった。ウォルター・ヒル、やはりサム・ペキンパー直系だけのことはあるわ、“本物の西部劇”が撮れる男だった。旧作の年間ベストにも入れよう。

 

ブロークン・トレイル 遥かなる旅路 [DVD]

[原題]Broken Trail
2006/カナダ・アメリカ/184分
[監督]ウォルター・ヒル
[脚本]アラン・ジョフリオン
[撮影]ロイド・エイハーン
[出演]ロバート・デュヴァル/トーマス・ヘイデン・チャーチ/グレタ・スカッキ/スコット・クーパー/クリス・マルケイ/ラスティ・シュウィマー/グウェンドリン・ヨー

→他の映画の感想も読む

関連記事

いい評判聞いたことないけど、悪くない、ちゃんと西部劇。 ジーン・ハックマンとロバート・デュヴァルの別れのシーンなんていいなぁ。 突撃してくるアパッチの戦士と1対1で対決するシーンの、ジェイソン・パトリックの馬の扱いが凄すぎる! […]