今回は、泥棒映画の代表的傑作『トプカピ』です。
女泥棒エリザベス(メリナ・メルクーリ)が狙うのは、イスタンブールのトプカピ宮殿にあるサルタンの宝剣。
かつての恋人ウォルター(マクシミリアン・シェル)に話を持ちかけると、彼は、手がかりを残さないように今回は素人を使おうと提案。
そうして集められたのが、発明家の英国紳士セドリック、軽業師ジュリオ、力持ちのフィッシャー。
しかし、ドライバーに雇ったガイド兼歴史学者のシンプソン(ピーター・ユスティノフ)が少しヌケた男だったことから、微妙に計画が狂い出す…。
この映画、これ以上はあまり書かない方がいいでしょう。
要はいかにして宝剣を盗むか、それだけの話なんですが、前半のメンバー集めも面白いですが、いざ盗みにかかってからの緊迫感は凄まじい。
バックに音楽を流すなどという愚かなことはせず、静寂の宮殿内の緊迫感がそのまま伝わってきます。
盗み方は、約30年後の某超有名ハリウッド映画は、これとまったく同じ。
でも、緊迫感はこの映画に遠く及びません。
そんな中にあって、いい味を出しているのがピーター・ユスティノフ扮するシンプソン。
初めはドライバーだけのはずが、ひょんなことから盗みの決行にも参加することに。
それでも元々何か特技があって参加しているわけではないので、彼が何かヘマをしないかと、観ているこちらはドキドキです。
そんなピーター・ユスティノフは、見事アカデミー賞助演男優賞に輝きましたが、納得の名演技。
盗みのアイデアだけでなく、その際使われる道具や、軽業師ジュリオの見事な体の使い方など、文句なしの面白さ。
前に「“エンターテイメント”としての映画」という記事を書きましたが、これぞまさしくエンターテイメントとしての映画。
第一級の娯楽作品。
[原題]Topkapi
1964/アメリカ/119分
[監督]ジュールス・ダッシン
[撮影]アンリ・アルカン
[出演]メリナ・メルクーリ/ピーター・ユスティノフ/マクシミリアン・シェル
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