『チーム★アメリカ/ワールドポリス』(トレイ・パーカー)

チーム★アメリカ/ワールドポリス

ちょっと時機を逸しましたが、たまには時事ネタにも反応しておこうということで、今回は『チーム★アメリカ/ワールドポリス』です。

まず初めに、ご覧になった方はわかるかと思いますが、「まっと・でいもん」最高です(笑)

人形劇なのにR-18指定なこの映画、ご覧になったら頷いていただけると思います。
というより、よくこれ劇場公開できましたね…。

テロリスト数人を殺すために、エッフェル塔もルーブル美術館も次々に破壊する国際警察“チーム・アメリカ”。
“世界の警察”を自負するアメリカに対し、世界の人々が常々抱いている思いを、ここまでいとも簡単に描いちゃうところが凄い。

しかもこれはアメリカ映画なわけで、アメリカもまだまだ捨てたものじゃないですね。

チーム★アメリカ/ワールドポリス

さらに、劇中にかかる音楽がどれも素晴らしい。
どれもくだらない歌詞なんですが、ほんとに核心をついていて、曲調も文句なしにかっこいい。

将軍様が歌う「I’m So Ronely」(LではなくRなのは何か意味があるんでしょうか!?)なんか思わずグッときてしまいます。
いよいよ包囲網が狭まってきた今、きっと今頃彼も歌っていることでしょう。

チーム★アメリカ/ワールドポリス

「Montage」という歌の歌詞も素晴らしい。
モンタージュといえばこの人、今は亡きエイゼンシュテインは、天国でこの歌をどんな思いで聞いているでしょうか(笑)

『パール・ハーバー』ネタは爆笑もので(『パール・ハーバー』は観ていないんですが、ここまでコケにされてると逆に観たくなってきました…)、「ベン・アフレックに演技学校が必要なように、僕には君が必要なんだ」が個人的にはツボ(笑)
エンドクレジットでまた別の歌詞が流れますので、最後までお見逃しなく。

あと、この映画が偏っていないのは、保守派やテロリストや独裁者と同様、リベラルなハリウッド俳優たちをもコケにしているところ。
ハリウッド俳優たちの扱いが、そうもっていきますか!とニヤリ。

あと、いろんなレベルで“格差”が言われる昨今ですが、世界を平等にするため、大量破壊兵器で世界中を壊滅させて、“みんな後進国”にしようとする将軍様の発想も面白い。
下が上に追いつけないなら、上をみんな引きずり降ろして全部下にしてしまえ。

実際やっていいかといえば言うまでもなくダメですが、考え方としては面白い。(かなりの映画マニアでもある彼がこの映画を観てほんとに実行したら洒落になりませんが…)

かなり下品ではありますので、受けつけない方はまったく受けつけないと思いますが、単純に笑える人にはむちゃくちゃ面白い。

 

チーム★アメリカ/ワールド・ポリス [Blu-ray]

[原題]Team America: World Police
2004/アメリカ/98分
[監督]トレイ・パーカー
[声の出演]トレイ・パーカー/マット・ストーン/クリステン・ミラー

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