ジャッキーのあの表情を見せられて、あのメッセージを聞かされた日には、もう泣くしかないでしょう(笑)
この映画を差し置いて『モーターウェイ』が金像奨の最佳動作設計というのはさすがに畏れ多い、今なら納得。
『モーターウェイ』のカーチェイスの“設計”もほんとに素晴らしいんですけどね。
“動ける”人なら他にいくらでもいる、ジャッキーが素晴らしいのはまさに“動作設計”。
今度からソファー売場を通りかかる度に、自分ならどう闘うだろうと想像せずにはいられないでしょう(良い子はソファー売場で闘ってはいけません!)、そんな楽しさはジャッキーの独壇場。
ソファー、カメラ、傘、額縁、そこらへんにある何でもない物の数々が、彼の手にかかれば、アクションに、笑いになる。
ジャッキーの映画でアクションに使われた物たちは、日常で目にする度に、これをこうやって使ったら面白いよなと、ジャッキーと同じ目線で見ることになる。
“アジアの鷹”シリーズの1本としては、女優二人が一緒に骨で敵をボコボコにするくだり、いつもの感じでニヤリとなりますね。
アクションなんて全くできないキャラが、追い詰められたらそこらへんにある物で無我夢中で敵をボコボコにする、待ってました!のシーンですね。
アクション的な意味での一番の見せ場は、「サンドバックを探していたところよ」の名台詞から始まる、ジャン・ランシンとケイトリン・デシェルの、本物の格闘家同士のキャットファイト。
特にケイトリン・デシェルの左右のスコーピオンキック連発の切れ味は素晴らしい!
自分は上映がある限りは映画は字幕版で観る人間なので、今回もいつものように字幕版で観ましたが、ジャッキー映画といえば吹替版も人気。
北京語、英語、フランス語が同時に飛び交うあのシーン、吹替版だとどうなるんだろう?
あと、通訳をわざと間違えて訳すシーンも。
[原題]十二生肖
2012/香港・中国/120分
[監督]ジャッキー・チェン
[出演]ジャッキー・チェン/クォン・サンウ/ジャン・ランシン/ヤオ・シントン/リャオ・ファン/ローラ・ワイスベッカー/アラー・サフィ/オリヴァー・プラット