途中でオチに気づかない人には、凄く楽しめます。
今回は、豪華共演のクライムサスペンス『ラッキーナンバー7』です。
『インサイド・マン』以上に、何も書けない映画。
自分は、役者の顔ぶれだけで観に行ったので予告編すら観てませんが、それで大正解。
これからご覧になる方は、ぜひ予備知識ゼロでご覧になることをお勧めします。
そして、冒頭の“途中でオチに気づかない人”とは、誰を隠そう管理人のことです(笑)
『ユージュアル・サスペクツ』も、わかる方は最初の5分でわかるみたいですが、当然のごとく見事に騙され、そんな人間は当然『スティング』にも完敗し、そこまでいかないB級サスペンス映画でも、作り手の意図通り見事に騙される単純な人間です…。
そんな人間には、最高に面白い映画。
逆に、途中でオチに気づいてしまう鋭い方には、なんてことはないつまらない映画かもしれません。
内容に触れる代わりに、お目当てだった豪華役者陣について。
モーガン・フリーマンとベン・キングズレーの火花散る対決(別に殴り合いが始まるわけではありません)。
『シン・シティ』に続いて渋め路線が板についてきたブルース・ウィルス。
そんな豪華な顔ぶれの中、立派に主役を張っているジョシュ・ハートネット。
ダニー・アイエロを見つけニヤリとし、今までで最高に素敵なルーシー・リューに心ときめかす。
『007』や『北北西に進路を取れ』などの映画ネタを散りばめながら、二転三転話は進んでいきます。
そして…。
以前、“エンターテイメント”としての映画というエントリーで、「普通のファンは見終わって、監督の誰かも知らず、「今日の映画けっこう面白かったね」とおしゃべりしながら席を立ってくれるのである。こういうプロたちもいる」という双葉十三郎氏の言葉を紹介しましたが、まさにそういう映画。
決して傑作、名作ではなく、よくて70点くらいの映画でしょう。
後に何か残るわけでもありません。
でも、予想に反して劇場は超満員でした。
右隣は30前後の女性、左隣はヘタしたら70近い男性(なぜか年配の方が結構いらっしゃいました)。
老若男女、200人くらいの人たちが、このなんてことはない話に、2時間あまり、真っ暗な中で同じ時間を共有する。
終わった後には、あそこで~だよね、えっそうだっけ?、あちこちからあーだこーだと会話が聞こえてきます。
2007年劇場第1弾、とても素敵な時間を過ごせました。
これだから映画はやめられません。
[原題]Lucky Number Slevin
2006/アメリカ/109分
[監督]ポール・マクギガン
[出演]ジョシュ・ハートネット/ブルース・ウィリス/ルーシー・リュー/モーガン・フリーマン/ベン・キングズレー/スタンリー・トゥッチ/ダニー・アイエロ
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