カウリスマキの『Le Havre』、パルム・ドール獲得ならず…

ル・アーヴルの靴みがき

カンヌ国際映画祭、twitter上でもずっと呟いていましたが、応援していたのはカウリスマキ。

国際批評家連盟賞を獲った時点ではついに来たか!と思っていましたが、終わってみれば、この一言。

相手が悪かった。

カウリスマキもとっくにパルム・ドールを獲っていてもおかしくない監督ですが、それ以上にテレンス・マリックが今まで獲ってないのがおかしいわけで、今回は、相手が悪かったと諦めるしかありません。

しかも、一番上の記事に出ていますが、確かに評論家の星取り表でトップはカウリスマキでしたが、「最高点の数が他の作品を圧倒する一方で、×をつける評論家もいて」というテレンス・マリックが獲ったのは素晴らしいこと。

アカデミー賞みたいな内輪の賞は“作品以外の要素”がかなり大きいので、多くの場合無難なところにおさまりがちですが、カンヌで“平均点が高い”作品が獲っても面白くもなんともありません。
その点、最高点にせよ×にせよ、“圧倒的な力を持った作品”が獲ったのが嬉しいですね。

また、別の意味で話題を独占してしまったラース・フォン・トリアーですが、その騒動のことは関係なしに、演技のみをちゃんと評価してキルステン・ダンストに女優賞を与えた、デ・ニーロ以下(トーさんも)の審査員はさすがでした。

最後に、一番下の記事のラストの一文がいいですね。

「国際映画祭は晴れ舞台ではあるが、映画にとってはゴールではなく、多くの観客に届かせるための新しいスタート地点である」

というわけで、一日も早くカウリスマキの『Le Havre』の日本公開を!

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