メインの子役二人がいい。
男の子がついに感情を爆発させる場面も圧巻ながら、二人が無言で微笑み合うシーン、あれを言葉にしてしまう映画があまりに多過ぎる。
あの瞬間二人が共有した“何か”、それは観た人の数だけ答えがある。
責められるべき人は一人もいない、到底受け入れられないような現実を前にして、子供も、親も、先生たちも、それでもそれぞれがそれぞれの形で前を向く。
一人の先生との出会いで、子供たちはほんの少しだけ一歩を踏み出す。
でも、まだまだ先は長い。
最後に、主人公の教師の踊りは、『髪結いの亭主』のジャン・ロシュフォールといい勝負。
[原題]Monsieur Lazhar
2011/カナダ/95分
[監督]フィリップ・ファラルドー
[出演]フェラグ/ソフィー・ネリッセ/エミリアン・ネロン/ブリジット・プパール/ダニエル・プルール