スナイパー描写もいいけど、それはあくまでも脇。
平凡な夫であり父親だった男が、超一流の射撃の腕前を持っていたために変わってしまった人生。

小さな娘の父親に対する目の色が変わったのが、射的で神業的にノーミス(300mの射撃が専門の彼にとってはこんなの朝飯前)で熊のぬいぐるみをもらった時というのが泣ける。
一度道を踏み外したら二度と元には戻れない、戻れないならその先どうするのか。

繰り返される、会話がない車内。
相手が変わっても会話がないながらも、視線だけが変わる。
台詞なしで描き切ったラストが完璧すぎる。
大傑作。
[原題]La résistance de l’air
2015/フランス・ベルギー/98分
[監督]フレッド・グリヴォワ
[出演]レダ・カテブ/リュディヴィーヌ・サニエ/チェッキー・カリョ/ヨハン・ヘルデンベルグ/ロール・ドゥ・クレルモン=トネール
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