
後ろ斜め45度から、ジョニー・デップを観たことがありますか?
というわけで、観た人にしかわからないネタから入ってしまいましたが、いつもお世話になっている皆様の評価も上々の、昨年の邦画で一番の傑作と名高い『キサラギ』、ようやく観ました。
キサラギ(Movies!!)
「キサラギ」 -ネタバレ無し-(samuraiの気になる映画)
ネタばれなしでは、書きようがないですこの映画(笑)
でも、ネタばれしてしまっては面白くも何ともないので、ネタばれなしでいきます。
一言で言えば、小さなどんでん返しの連続。
実は~というふうに語られ直すパターンといえばパターンですが、“実は”の部分が普通と視点が違う。
そこを書いてしまうとおしまいなんですが…。

何回かその視点が続いているうちに、パターンは読めてきますが、練りに練られた脚本は、ラスト直前までぐいぐい引っ張っていってくれます。
“死か病気が絡む泣ける恋愛もの”が氾濫する中、拍手喝采ものの見事な脚本。
「映画の8割は脚本で決まる」とはビリー・ワイルダーの至言ですが、まさに脚本の時点で勝負あり。
プラス、香川照之をキャスティングできた時点で。
彼だけは代えがきかない。
塚ちゃんは置いといて(笑)、小出恵介もあのテンションだからいいとして、小栗旬も上手いのに、一人おいおいなのがユースケ・サンタマリア。
台詞すらちゃんと喋れてないですし、膝から崩れ落ちるシーンがあるじゃないですか。何なんですかあの下手な崩れ落ち方は…。
「朗読しているのかと思った」と謳われた、ありえないくらい下手な歌に合わせ、“ミキちゃん!ミキちゃん!ミキちゃん!”と踊る喪服姿の野郎5人。
“笑えて泣ける”この映画が凝縮された名場面。
“プラネタリウム”(何で急に説明的になる!最悪…)と“ラストのラスト”、あれさえなければ傑作でしょう。
惜しいなぁ…。
2007/日本/108分
[監督]佐藤祐市
[原作・脚本]古沢良太
[音楽]佐藤直紀
[出演]小栗旬/ユースケ・サンタマリア/小出恵介/塚地武雅/香川照之