悲しんでいる彼女を置き去りにして、別の女と先に帰ってしまうような最低な男だけど、あの時「君も泳ぐか?」と言えたのは、きっと彼しかいない。
「冗談でしょ?」
体に染み渡る水、照りつける太陽、水面に輝く陽の光の言葉を失う美しさ。
それがあるからこその“血と骨”の世界。
ベッドの上の“体位の変化”が、一言の台詞もなしで二人の関係の変化を表すというのも、アン・リーの『ラスト、コーション』以来、久しぶりに観ましたね。
いつもみたいなノワールじゃないしなぁとか、そんなことどうでもよかった。
ジャック・オディアール、間違いなすぎる!
邦題みたいな甘さは微塵もない。脱帽。
[原題]De rouille et d’os
2012/フランス・ベルギー/120分
[監督]ジャック・オーディアール
[音楽]アレクサンドル・デスプラ
[出演]マリオン・コティヤール/マティアス・スーナールツ/アルマン・ヴェルデュール/セリーヌ・サレット/コリンヌ・マシエロ/ブーリ・ランネール/ジャン=ミシェル・コレイア
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