夫婦の物語と思わせて、それ以上に父と息子の物語だった。これは泣く…。
シニア合唱団“年金ズ”、歌うのはオープニングからいきなりナールズ・バークレイの「Crazy」!
そんな彼らを馬鹿にしていた頑固じいさんが、愛する妻とだけでなく、長年疎遠だった息子とも向き合うことによって、自らもcrazyになっていく。
一歩を踏み出すということ。
病に倒れた奥さんのお見舞いに合唱団の仲間がやって来て、家の外で歌ってくれたのが「You Are The Sunshine Of My Life」。
『ブラス!』で同じようにお見舞いで歌われたのは「Danny Boy」でしたが、今回もいいですねぇ♪
テレンス・スタンプとヴァネッサ・レッドグレイヴ(二人とも歌声が聴けます)という名優相手に、一歩も引けを取らないジェマ・アータートン。
指揮をする時はいつも裸足で、ぶっ飛んだ選曲同様溢れんばかりのエネルギーで歌い踊る彼女。
それには訳があり、これは彼女の物語でもある。
マリオン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)がアーサー(テレンス・スタンプ)に言う「I love you Arthur Harris.You are my rock.」がいいなぁ。
字幕にも出ている意味は「支え」ですが、合唱団のポリシーの一つ「ロック」もかけてある。
[原題]Song for Marion
2012/イギリス・ドイツ/93分
[監督]ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
[出演]テレンス・スタンプ/ヴァネッサ・レッドグレイヴ/ジェマ・アータートン/クリストファー・エクルストン
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