『イーグル・アイ』(D・J・カルーソー)

イーグル・アイ

目新しいことは何もありません。
劇場を出た後は、後には何も残りません。
でも、劇場にいる間は、文句なしで楽しめます。

以下、ネタバレ全開。

未見の方は、ご注意下さい。

大きなところでは、“コンピューターが意思を持ったらロクなことはない”(『2001年宇宙の旅』)、“優秀な兄とそうではない弟”(『エデンの東』)、遥か昔から延々と繰り返されてきた話です。
小さなところでは、“地下深くには誰にも知られていない秘密の場所がある”(『インデペンデンス・デイ』)、“ある音が起爆装置”(『交渉人 真下正義』)等々、他にも、“どこかで観たシーン”のオンパレード。
目新しいことは何もありません。

ただ、今回のコンピューターは超強力。
『ボーン・アルティメイタム』のエシュロンもむちゃくちゃ凄かったですが、あれはあくまでも“情報収集”です。
今回のはさらにその上をいき、カーチェイスの通り道の赤信号を次々に青信号に変えるなんて朝飯前、ゴミ集積場の大型クレーンも遠隔操作、CIAもびっくりの凄技を連発。

ただ、あれだけのことを一組織がやるのはどう考えても無理があるので、“女性”の正体は早いうちにわかってしまいますね。

この“女性”、世界中どこにいても電話をかけてきてくれるという(携帯を持っていない時には近くの他人の携帯に!)、それだけならある意味男性にとっては嬉しい存在。
しかし、その電話の内容がとんでもないわけで、当然嬉しくなんかありません(笑)

イーグル・アイ シャイア・ラブーフ ミシェル・モナハン

やっと“女性”の元へ辿り着いたジェリー、なぜ彼が選ばれたのかがここではっきりするわけですが、双子だと、声紋まで完全に一致するんでしょうか。一卵性双生児だとありえるのかなぁ。
ここが一番の突っ込みどころだと思いますが、ここが崩れるとそれまでの話は全部パーになるわけですが…。

それと、この手の映画には毎回のことですが、ラストシーン、全くの蛇足。
ほっぺたなだけましといえばましですが、ハリウッドのアクション大作は、最後に男女が抱き合ってキスしないといけないという決まりでもあるのか。いい加減何とかしてほしいですね…。

香港映画なら、あの展開でジェリーが死ぬのも全然ありで(あの程度の撃たれ方では平気で生き延びるのも香港映画ですが)、お父さんと並んで出てきた時点で、あぁそうなのねと観てましたが、それでもあそこで終わるべきでしょう。

あと、それとの関連で、クライマックスですが、ジェリーを生き延びさせるなら、あそこで銃声である必然性はまったくありません。
なので、自分が脚本家なら、ジェリーはレイチェルの存在に気づくだけで間に合わず、“銃声によって演奏中止”ではなく、“駆け寄る母親に気づいた息子がハッとなって音程を外す”、この方がずっと洒落てると思うけどなぁ。
それまで母子の関係を強調してきて、しかもせっかく楽器にしたんですから。

まあいろいろ突っ込んできましたが、この手の映画の鉄則である“細かいことを考えされる暇を与えない”作りにはなっているため、観ている間は突っ込む暇もなくひたすら進んでいきますので、その点はご安心を。

繰り返しになりますが、劇場にいる間は、文句なしで楽しめます。

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[原題]Eagle Eye
2008/アメリカ/118分
[監督]D・J・カルーソー
[製作総指揮]スティーヴン・スピルバーグ
[音楽]ブライアン・タイラー
[出演]シャイア・ラブーフ/ミシェル・モナハン/ロザリオ・ドーソン/マイケル・チクリス/アンソニー・マッキー/ビリー・ボブ・ソーントン

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