ジェシカ・アルバ目当てでたいして期待していませんでしたが、これは思わぬ拾い物、面白い。
というわけで今回は、ヘイデン・クリステンセン主演の『アウェイク』です。
全身麻酔の手術中に意識が覚醒したままの状態に陥ってしまう“術中覚醒”を扱った映画ですが、これ以上はあらすじすら読まずに予備知識ゼロで観た方が絶対に楽しめると思いますので、内容には触れません。
※もしまだご覧になっていなければ、絶対に映画より先に予告編を観てはいけません。
ツッコミどころもなくはないですが、“脚本勝負”のサスペンス映画として、展開の仕方も、伏線の回収の仕方も、オチのつけ方も、自ら脚本も書いた初監督作品としては、これだけ楽しませてくれたら十分でしょう。
後から考えれば、キャスティングもポイントですね、特に二人。
何よりも、2時間を超えるのも当たり前で無駄に長い映画が氾濫している中で、84分という上映時間が素晴らしい。
90分きっても、これだけの展開があり、ちゃんと伏線も回収しています。無駄を省けばこれだけできるということ。
そして、邦題も同じですが、原題の『Awake』、これも後から考えたらよくできてますね。
第一義は“目が覚めて”で、これは先ほどの“術中覚醒”のことなわけですが、awakeには他にもいくつか意味があって、そのどれもが映画が進むにしたがって意味をもってきます。
たった一単語ですが、いろんな意味がこのタイトルには込められています。
内容には触れませんと言いながらいろいろ書いてしまいそうになってきたので、これくらいにしておきます。
最後に、最初に出るテロップ、「毎年2100万人以上が全身麻酔を受ける。・・・・・約3万人が眠りにつくことができず、“術中覚醒”と言われる状態になるという。」、実はこれが一番怖い。
[原題]Awake
2007/アメリカ/84分
[監督・脚本]ジョビー・ハロルド
[出演]ヘイデン・クリステンセン/ジェシカ・アルバ/テレンス・ハワード/レナ・オリン